第二十二話 主天その十七
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「この場は面白い趣向が多い」
その言葉と共に今宙に浮かんできたのだった。翼はなくとも。
「楽しまない道理はない」
「そうだな。貴様も宙を舞うことができるのならば」
それを見て己の背の翼を羽ばたかせる髑髏天使だった。
「俺もだ。行こう」
「来るというのだな」
「そうだ。そうしなくては貴様も面白くあるまい」
「その通りだ。貴様が魔物ならばだ」
己の上にいある相手を見据えての言葉である。
「俺もまた髑髏天使なのだからな」
「では来るのだ」
魔物も今は何も仕掛けては来ようとしなかった。
「貴様のその腕を見せるのだ」
「言われずともだ。行くぞ」
羽ばたかせたその翼がより動く。それにより宙にあがるのだった。
そのうえでまずは同じ高さに来た。空中で対峙する。
「さて、それではだ」
「参ろう」
魔物が前に出た。その左腕の槍を前に突き出して来る。
「むっ!?」
「私の槍は決して軽くはない」
攻撃を繰り出しながらの言葉であった。
「さて、かわせるか」
「確かにな。この槍は」
続け様に出されるその槍を右手の剣で受ける。相手が左で攻めて来る為そうなってしまった。これは髑髏天使にとっては不本意であった。
彼は本来は左手の剣で防ぎ右手の剣で攻める。それができず苦い目の光になっていた。
「攻撃もさることながら。左か」
「左からの攻撃は何よりも強い」
魔物もそれがわかっているようであった。
「さて、これはどう防ぐか」
「防ぐだけではない」
苦かった。だがその目の光は間違っても負けている者の目ではなかった。
左手のサーベルをここで。左から右に横に一閃させてみせたのである。それにより。
そこから水を放った。それも水の刃だ。圧倒的な圧力によりできた刃であった。
「水か」
「これはどうするか」
刃を放ったうえで魔物に問う。
「この刃を防げるか」
「ふむ。それならばだ」
魔物は至近でそれを見ても冷静であった。そして。
姿を消した。水の刃はそれにより空しくかわされてしまたtのだった。
「消えたか」
「如何にも」
消えたうえで声だけが聞こえてくる。
「こうしてかわすこともできるのだ」
「見事だと言っておこう」
今は姿を見せない魔物にこう告げはした。
「今のようにしてかわしたのはな」
「それは認めるのだな」
「俺も相手の実力は見極める」
また魔物に述べた。
「そういうことだ」
「そうか。貴殿もか」
「その実力は見事だと言っておこう」
しかしだった。その目は言葉とは違い警戒したものだった。そのうえで周囲を見回していた。何もかもを見逃さない、そうした目であった。
「それはな」
「それではだ」
ここで魔物の声の色が動いた。
「場所を変えよう」
「
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