SAO編
十一話 花に囲まれて
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配してくれる気持ちは勿論嬉しいのだが、無理をされてもしもの事が有ったのでは、話にならないのだ。
頷き、少し暗い表情をしているシリカに、俺は先程とニッと笑いながら出発を促す。
「さぁ、んじゃパパァ〜っと行くぞ!」
「あ……はい!」
少し驚いたように顔を上げたシリカだったが、直ぐに明るい笑顔を取りもどし、頷いた。
かくして、俺達ピナ救済チーム(2人だが)はフィールドへと繰り出した。
さて──行軍中、どうもシリカは足手まといになるまいとしているらしい。
気合十分に前を歩いている。
──駄菓子菓子
「ぎゃ、ぎゃああああああ!?なにこれ──!?き、気持ちワル────!!」
「ま、そうなるわな」
歩き出して数分、最初のモンスターとエンカウントしたのだが。
どうやら戦闘以前の問題が有ったようだ。
「や、やあああ!!来ないで────」
『いやいや、そんな事言ったってモンスターなんだから近付いて来るぞー』
とか胸中でツッコミつつ、俺はシリカの戦闘(?)を傍観している。
草むらから飛び出してきて、今シリカと相対しているのは、太い茎の先を枝分かれさせ、地面をしっかりと踏みしめることで、移動可能な、まさしく《歩く花》とも言うべき奴である。
まぁそれだけなら特に何も無かったのだろうが、問題なのはその茎の先だ。
そこにはヒマワリの様な巨大花が乗っており、その中央にいかにも汚そうな不揃いな牙を生やした口がパックリと開いて内部の毒々しい赤をさらしている。
また、茎と花の間からは肉質のツタが伸びており、どうやらその蔦と口に攻撃判定が有るらしい。
「やだってば────」
先程、この層に来た時の反応から察するに花は好きなのだろう。
それもあってか、その醜悪な外見に相当な嫌悪感を催したらしいシリカは殆ど目をつぶって短剣をぶんぶんと振り回すだけになっている。
「狙いもしないで剣振っても当らねぇっての、花のすぐ下の白くなってるとこ狙えば倒せるからやってみー?」
「だ、だって、気持ち悪いんですううう──」
まぁ、直視するのも嫌なんだから相当なんだろうけども……。
「そいつで気持ち悪がってたらこの先大変だぞー。似た様な花がいくつもついた奴とか、食虫植物っぽいのや、粘液だらけの触手が山ほど生えたモル○ルみたいな奴まで……」
「キエ────!!」
その先を聞くのが嫌になったのか、シリカは奇声を上げながら殆ど狙いも付けずにソードスキルを繰り出すが、まぁ見事に空振る空振る。
面白いな、もうちょっとからかってみようか……?
そんな少々黒い事を考えていると、スキルを使った事で出来た技後硬直の隙を突いてするりと二本のツタがシリカの足元に滑り込み、足首を捉えて見た目に反した怪力でひ
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