SAO編
十一話 花に囲まれて
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子だなぁ……とか思いつつ、シリカは壺の中から竹串を一本引っ張り出す。
中から出ていたのは、みたらしだれっぽい何かが掛った団子っぽいものだった。ちなみにリョウは緑色の草餅っぽい色の団子に餡子っぽい物が掛ったタイプの物だ。
「(はぐっ)」
「(もぐっ)」
シリカが四つの内の先端の一個(リョウは一気に二個)食べ、咀嚼する。
と、モチモチとした食感と共に口の中にみたらしの香ばしく、甘じょっぱい味が広がる。
「おっ、普通に団子だな!これ。」
「おいしいです!」
一個目を食べ終えた二人が同時に感想を述べる。
なるほど、これは中々当たりの様だ。
こんなのんびりとした調子で良いのだろうか?と思いつつも、シリカはこの状況が嫌ではなかった。
────
さて、現在俺達二人は三十五層の主街区を歩き、南門へと進んでいる道中だ。
隣にはシリカが並ぶ形で一緒に歩いている。
ちなみに俺は、先程勝った屋台の魔法の壺から取り出した、胡麻のしつこさのあまり無い甘さと、香ばしさが特徴の団子を感じている所だ。(壺の中には、これと、草餅餡子とみたらしの団子が入っていた。)
途中、シリカから従弟妹についてなどを聞かれたりして駄弁っていたのだが、ちょうど団子を食べ終えたころ、目の前に鉄で編まれたアーチにツタの植物がからみついたよう作りの南門が見えてくるとシリカはとたんに緊張した様な表情になる。
いや、実際に緊張はしているのだろう。
少なくとも、これから自分のレベルでは本来圧倒的に届かないフィールドへ出るのだ、誰でも緊張はする。特に、彼女にとっては大切なパートナーの命が掛っているのだから尚更だ。
門の目の前まで来た所で足を止めると、シリカは少し前に出て、俺と向き合う形で立つ。
「さて、いよいよ冒険開始なわけだが。」
「はい。」
表情の引き締まった状態のシリカに取りあえず一番重要な注意をする。
「お前のレベルと渡した装備なら、まぁ此処のモンスターは別に倒せない敵ってわけじゃない。だが……」
俺は左の袖に手を突っ込む。実はここ、左右共にポーチのように物を入れられる仕組みになっており、片方に付き二つくらいまでなら物を入れられる。
他にも俺は、服の裏だとか、腰の後ろの所だとか、色々な所に色々な物を仕込んでいるのだが……まぁ、今はどうでもいい。
「フィールドじゃ何が起きてもおかしい事はねぇからな。もしもなんかあって俺が離脱しろって言ったら、何処でもいいからその結晶で跳べ。その際、俺の事は一切考えるな。」
「で、でも……」
「いいな?必ずだぞ?」
口ごもるシリカの言葉をさえぎって俺は言葉を強調する。
その言葉に納得したのか、はたまた俺の迫力がすごかったのかは知らないが、シリカはたじろいだように頷く。
心
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