百分の一 その二
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かもしれないんじゃあないか?
散々悩んだが、結局答えはでなかった。そしてその時に一つ誓った。
『例え自分が危険でも、死にそうになっても、1%でも生き残る確率があるなら全力で助ける』と。
今が正にその時じゃないか。何足震わして黙って見てんだよ。動けよ、動けよ!!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
気づけば俺は床を蹴り、その場を駆け出していた。
ボスに決めたファーストアタック何か比にならないスピードで俺は突進系ソードスキル《リニアースラッシュ》でボスを壁まで吹き飛ばし、急いでサヤの所に向かった。
「おい、大丈夫か?」
と俺がすぐさま駆け寄ると、我慢していたであろう。途端に表情が崩れ、俺に抱きついて胸の中で泣きだした。
まあ無理もないだろう。こんな年頃の女の子があともう少しで死ぬかもしれなかったのだ。
俺は女子とこういう経験がないので判らないが、俺は取り敢えず優しく少女《サヤ》の肩を抱き、頭に手を置きながらずっと落ち着くまで待っていた。
SIDE OUT
* * *
SIDE Kirito
「・・・・!」「・・・・・!」
あっちがなんかそうぞうしい。そう思いながらパーティのアスナとコボルドの親衛隊を片付け、振り向いた瞬間、今正にボスが一人のプレイヤーに襲い掛かろうとしていた。
見る限り体力もそこまで残ってる訳もなく、そのプレイヤーの顔には絶望の色が浮かんで見える。
周りの者はみんな顔を背けようとしている。
「間に合え!」と思って、腰に吊してあるスローイングタガーを抜こうとしした瞬間、目の前で風が吹いた。
それが相棒《ジン》の姿だと認識するまで少し時間が掛かってしまった。
相棒は、まるで風が通り過ぎたと勘違いするくらいの速さでボスに向かっていき、その勢いで突進系ソードスキル《リニアースラッシュ》を繰り出しボスを吹き飛ばした。
今の光景をちゃんと見極められた人間がはたしてここに何人いるだろう。殆どの人が突然ボスが壁に突っ込んだようにしか見えなかったと言うだろう。
キリトの天性ともいっていい動体視力でようやく見えたのだ。
そして俺は此処の時点で大きく後悔した。
何が人を死なせないだ、現にジンが助けていなかったらあのプレイヤーは間違いなく死んでいた。
それなのに自分は一歩が踏み出せず、投擲に頼るなんてコペルのあの頃と同じではないか。
結局、自分はあの頃と変われていないのか・・・?
そう考えていると、再びポップしてきた親衛隊がキリトに襲い掛かろうとしていた。
キリトは全く反応出来ずに攻撃を受け、吹き飛ばされた。
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