百分の一 その二
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まってました!といわんばかりにサヤが飛び出し、鎌を紫色のエフェクトが覆い、すかさず重撃系単発技《カオスストライク》を繰り出す。
このソードスキルは序盤には珍しいくらいに威力が高いが、そのぶん硬直時間も長い。なので、外したりしたら大きな隙を作ってしまうので使いどころを見極めなければならない。
しかし、それを補い余る程のメリットがあり、一つは威力。もうひとつは気絶しやすいということである。
サヤが重撃系単発技《カオスストライク》をコボルドの頭に直撃した瞬間、頭の上に《クリティカル》とでた。どうやら綺麗に決まったらしい。
これを好機と他のメンバーが喜々とした表情でコボルドに向かって攻撃する。
でもキバオウさんが行こうとした瞬間、どうやらボスが正気に戻ったみたいで行くに行けなかったらしい。しきりに「何でや!?」と何度も言いながらじたんだしている。
「餓鬼か己は!?」と本気でつっこみたくなった。いや、マジで。
そんなかんだで俺達は、さっきみたいに前衛のプレイヤーが攻撃して、HPが5割を切ったらブサイクポイントを作り、その間に後衛と入れ替わって攻撃を仕掛ける《スイッチ》をもちいてボスのHPを削っていた。
ちなみに俺がHPで5割切っていないのにスイッチした訳は、単純にサヤのほうが攻撃したさいのダメージが多いからだ。
しかし、相手のHPを削るにつれてパーティ全体のHPが減り攻撃の数が減ってきている。
「まずいな・・・・。」
周りの親衛隊を取り敢えず一掃した俺は、前線が圧されていることに内心焦りを感じてた。
前衛の数が減る事、つまりは、その分前衛に出ているプレイヤーがボスに狙われる確率が増えるということだ。
そんな時、誰かが
「ボスが刀を持ったぞー!!」
と言った。
誰かの声でボスを見ると、今まで斧を持っていた右手にはさっき見た腰に携えていた湾刀が握られていた。
しかし刀なんて分類は初期にはない。もしあれが曲刀じゃなく刀だった場合、完全に初見での戦闘になりかねない。
『自分が想定出来る最悪の可能性を考え、そうならぬように行動しろ』
俺がいつも実行している考えに則り細心の注意を払おうとした矢先、ボスがサヤに向かってソードスキルを発動した。
何とか一発は受け止めたようだが、体勢を崩しており追撃はまのがれない。
さっき見たが、前衛が少なった為にサヤも前衛に出ており確かHPもぎりぎり半分あるかないかぐらいだ。
最悪・・・・・・死ぬ。
俺はふとコペルが死んでいった時の事を思い出した。
アレから色々考えた。もしあの隠密が失敗した時に助けにいっていれば、もしかしたら死なずにすんだ
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