SAO編
十話 風見鶏亭の夜
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「ほーう?……ま、良いけどな」
なんだか若干、「今思い付いた」感のある理由だったが、まぁ何もわざわざ追求する事も無いだろう。
「んじゃ下行くか?」
流石にこの歳の子と部屋で二人はまずいだろうと思い、そう提案した。のだが……
「いえ、あの──よかったら、お部屋で……あっ、あの、貴重な情報を誰かに聞かれたら大変ですから!」
「え……んー、俺は、構わんが……」
これは……どうなんだ?モラル的に。
本人の希望だから良いのか?
少々迷いつつも、俺は一歩ドアから退きシリカを部屋の中に招き入れる。
と、シリカは「お邪魔します」と言いつつ恐縮した様子で部屋に入って来た。
部屋にはティーテーブルと、ベッド、それに椅子が一脚あり、左の壁では備え付けのランタンが光を放っている。
俺はシリカを椅子に座らせ、アイテムウィンドウから幾つかのアイテムを取り出す。
ポット、金属のコップ二つ、小さな小箱。
それらを机の上に置き、ポットからコップにアイスティー(っぽい)を注ぐ。ちなみにこのポット、何時でもどこでもアイスティー、ホットティー、水を無限に出せるという優れものだ。(実際かなりレア)
「ほい。」
「あ、ありがとうございます」
シリカがコップをもったのを確認しつつ、俺は机の上の小箱を開く。と、中には小さな水晶玉がランタンの光を反射してなかなか幻想的な光を放っていた。
「綺麗だろ?」
「は、はい……。それ、何ですか?」
「《ミラージュスフィア》ってんだ。効果は……ま、見せた方が早えぇだろ」
そう言いながら水晶玉を指でワンクリックすると、メニューウィンドウが出た。幾つかの操作をして、OKボタンを押すと水晶玉が青く発光し、大きな円形の立体ホログラムが現れる。
「うわあ……!」
シリカが歓声を上げ、身を乗り出すようにホログラムを覗き込む。
この《ミラージュスフィア》は、このように所有者が一度でも行った事のある層の地図を立体ホログラムで表示するアイテムだ。
結構高価だが、プランなどが立てやすくなるし、何より面白いと言う事で前線プレイヤーの中でも所有している人は多い。
夢中になって地図を覗き込んでいるシリカに、層の説明を始める。
「この真ん中のが主街区な。で、俺達の目的地である思い出の丘は此処。道は一本道。ただし、この辺りにはたまに厄介なのが出っから要注意って言われてて……」
説明しつつ、無意識に策敵スキルで周囲を探る。あまり必要ないかとも思ったが、最早癖の様なものになっているので仕方がない。
結果だけ言うと、策敵をかけたのは正解だった。扉の前にプレイヤー反応が一つあったのだ。
これは……盗聴か。
「んで、此処をたどってってまずはこの橋を目指す……」
説明しつつ俺はベット
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