SAO編
九話 歩み始めた二人
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半笑いで言うな」
いまだに片足を笑いのつぼに突っ込んだまま彼女は、申し訳なさそうにしながら自分のトレードウィンドウに何かを入力し始める。
「あの……これだけじゃ全然足らないと思うんですけど」
見ると、ウィンドウの少女の側のアイテム欄に、結構な額の金が入力されていた。
恐らく桁が半端な所を見ると、彼女の持つ全財産だと思うが確かにこれだけではこのアイテムの相場とは到底釣り合わない。が、
「金はいい、さっき言った通り、俺が勝手にやることだし、それに、君にあげる物は全部余ってたもんだし、つーか、小学生から金もらうとか半分カツアゲじゃねぇか」
「しょ、小学……で、でも……」
「はいはい、年長者の意見には素直に従うもんだぞ?」
「う……、分かりました」
「よろしい」
子供は素直が一番。……まぁ俺も未成年だが。
「でも、ほんとに何からなにまで……。あの、あたしはシリカです!改めて、宜しくお願いします!」
ああ、そう言えば名乗って無かったな。忘れてた。
?、残念そうにしてあわてて首を振って、何をしてるんだ?この子は。
「俺はリョウコウだ。リョウって呼んでくれ。こちらこそよろしくな、シリカ」
手を差し出すと、シリカも俺より一回り小さな手を重ね、しっかりと握手を交わした
「さて、んじゃ先ずはこのうっとうしい森から抜け出すとしますか」
「あ、地図お持ちなんですね」
「……むしろ、持たないでこんなとこに入る方がどうかしてると思うがな?お前、もう二度とやんなよ?」
「う……はい……」
自身の失敗を指摘され言い返せないのか、言葉に詰まりうつむくシリカに俺はため息をつくと、
「ほれ行くぞ。過去から学び、未来を見つつ今を行け……だ。幸いお前には過去の失敗を取り戻せるだけの可能性も残ってるわけだし」
「は、はいっ!」
「よろしい」
そうして俺とシリカは街へ向って歩き出す。
ちなみにさっきの言葉は何となくなので深い意味は無い。
さーて、ピナ救出チーム始動だ。
────
シリカと行動し始めてから三十分ほどが経った頃
正直あれだけ走り回った(シリカはリアル迷子になった)森がたった三十分で抜けられた事に複雑な気分になりつつ、地図の偉大さを再確認しつつ、俺達は第三十五層の主街区へ辿り着いた。
この街は白壁に赤い屋根と言う、どこかの牧場にでもありそうなタイプの建築物が多く、牧歌的な雰囲気ののんびりとした街だが、現在は中層プレイヤーたちの主戦場である迷いの森等が近いせいか人通りが多く、なかなかの賑わいっぷりだ。
さて、街に入った俺達は取りあえず今日の宿へと向かおうと歩き出す。
大通りを通り、転移門のある町の広場を抜けて……と、数名のプレイヤーが声をかけて来た。
俺にでは無い。その全員の
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