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とある星の力を使いし者
第13話
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距離があり加えて、神裂の持つ刀は二メートル以上の長さがあり、女の細腕では振り回すおろか引き抜く事さえ不可能に見えた筈だったが次の瞬間には巨大なレーザーでも振り回したように上条の頭上スレスレの空気が引き裂かれた。
驚愕に凍る上条の斜め右後ろにある風力発電のプロペラがまるでバターでも切り裂くように音もなく斜めに切断される。

「やめてください、私から注意を逸らせば辿る道は絶命のみです。」

すでに神裂の二メートル以上ある刀を鞘に収めていてあまりに速すぎて上条には刀身が空気に触れた所さえ見る事が出来なかった。

「もう一度言います。
 魔法名を名乗る前に、彼女を保護したいのですが。」

「な、なにを、言ってやがる。
 テメェを相手に降参する理由なんざ・・・・・」

「何度でも問います。」

瞬、とほんの一瞬だけ何かのバグみたいに神裂の右手がブレて、消えると轟!という風の唸りと共に恐るべき速度で何かが襲いかかってきた。
地面(アスファルト)が、街灯が一定の間隔で並ぶ街路樹が水圧カッターに切断されるように切り裂かれ宙に舞った握り拳ほどもある地面の欠片が上条の右肩に当たり吹き飛ばされて気絶しそうになる。
上条は右肩を押えながら視線だけで辺りを見回すと地面には合計で七本の直線的な刀傷何十メートルに渡って走り去っていた。

「私は魔法名を名乗る前に彼女を保護したいのですが。」

右手を刀の柄に触れたまま憎悪も怒りもなく神裂はただ「声」を出した。
あの一瞬で七回もの「居合い斬り」見せその気になれば七回とも上条の身体を両断できるが刀が鞘に収まる音は一度きりだった。
上条はあの七つの太刀筋は何らかの魔術という異能な力で生み出された太刀筋だと考える。

「私の七天七刀が織りなす「七閃」の斬撃速度は一瞬と呼ばれる時間に七度殺すレベルです。」

上条は右手を強く握りしめる。
あの斬撃は「異能の力」が関わっているのならあの「太刀筋」に触れる事ができれば打ち消す事が出来る筈と上条は思った、だが神裂の言葉がその思考を遮る。

「絵空事を、ステイルからの報告は受けています。
 貴方の右手は何故か魔術を無力化(ディスペル)する。
 ですがそれは貴方が右手で触れない限り不可能ではありませんか?」

触れる事が出来なければ上条の右手は何の意味も持たない。
単なる速度だけの話ではない、御坂美琴の電撃の槍(ビリビリ)超電磁砲(レールガン)と違い神裂の変幻自在の七閃の狙いを先読みする事も出来ない。

「幾らでも問います。」

神裂の右手が静かに七天七刀の柄に触れる。
距離はおおよそ一〇メートル、街路樹などを輪切りにする破壊力のある七閃に何かの物陰に隠れるといった行動は自殺行為にしかならない。
この距離なら筋肉が引き
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