SAO編
七話 迷いの森と小さな勇者
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ろもうすぐこれをやり出して二時間近いのだから。
どうも今日の自分には運が無いらしく、此処までことごとく少女の反応が遠くに飛ばされまくってきたのだ。
『もうやめるかぁ?なんかこのまま続けてもロリコンのストーカーっぽいしなぁ……』
先程も行った通り、彼女がどうなろうが知ったこっちゃないし、自分でも何でこんな必死になってるんだかさっぱり……ではないにしろいい加減見捨ててもいい様な気がして来た。
まぁ、良い訳は無いのだが、それほど疲れていたのだ。
だが転移先のエリアで少女を示す赤い光点が止まり、小刻みに動いているのを見て気が変わる。
恐らく、モンスターにエンカウントしたのだろうからだ。
此処までにも何度もエンカウントしていたが、すべて対して長期戦にもならずに切り抜けていた。(だから追いつけなかったのだが)
今度こそ追いつくという気合を込めてダッシュ。隣のエリアへと飛び込む。
走り始めて三分数十秒、未だに追跡中の少女は戦っているようだ、反応が移動していない。
「やばいか?」
その場に行かないと分からないが、彼女もそろそろ疲労してくるころだろう。
この世界の闘い中での勘が鈍ったり、反射的な動きが遅れることは、致命的な敗因になりかねない。
そして今の自分でさえこれなのだから、彼女も相当のはずだ。
「くそっ、死ぬなよ……」
勘だが、嫌な予感がする。自分の勘がよく当たる事はよく知っているので、自然と焦りも増す。
リョウは走る。
足の動きはより速く、地を蹴る力はより強く。
────
全速力で、リョウは先程から少女の居るエリアへと走り込んだ。
既に戦闘が始まってから七分近く、これまでのエンカウント時は少女は開始後二分くらいで再び動き出していたから、明らかに長い。
『居たっ!』
目の前に地面に倒れた少女を見つける。その目の前にいるのは、この三十五層では最強と言われる、猿人型モンスター「ドランクエイブ」が三体。
とは言え最強と言うのはあくまでもこの層での話、目の前のリョウが相手では話にならない程度の雑魚だ。
と言うか目の前の少女も、中層プレイヤーなら十分すぎるほどの安全マージンを取っているはずだし、対処できない事は無いと思う、が、どうやら遠目から見ても分かるほど足がすくんでいるようだ。
理由は、おおよそ見当がついた。
と、その間にもドランクエイブは少女に向かって棍棒を使ったソードスキルのモーションに入る。
『やっべ!』
注視した所、少女のHPは既に黄色の注意域に達していた。
幾らレベル差があっても、無防備な状態でソードスキルのクリティカルを受ければ、一瞬で全てのゲージを持っていかれる可能性のある所にあの少女は居るのだ。
その恐怖が、少女の足をすくませているの
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