第12話
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触れる必要はない。
ただし神や天使といった存在には干渉することすら不可能。
すると麻生の頭の中で何か映像が入ってくる。
ある一人の男の野球選手がいた。
その男は野球のチームに入り日が昇る時から日が沈むまでひたむきに練習していた。
それが積み重なりやがて自身に繋がっていた。
だが学園都市ではスポーツに能力の使用が認められており、幾銭幾万の努力がたった一つの能力に打ち砕かれる現実。
だから、男は何が何でも強い能力が欲しかった。
ある女学生がいた。
ある日その女に突然話しかけてきた女がいて、どうやら後輩らしくさらに能力も同じだった。
その後輩は能力の扱い方を教えてもらいたくて話しかけたらしい。
女はその後輩に親身に扱い方を教えたのだが何日か経つとその後輩の姿を見かける事はなくなった。
気になったので後輩の教室まで行くと、すでに身体検査を抜かれてしまった。
学園都市は残酷だった、能力を数値化してどっちが優劣かハッキリさせてしまう。
だからもっと強い能力が欲しかった、後輩を見返すほどの能力が。
ある男がいた。
その男は落ちこぼれた無気力な学生を見るとよく話しかける。
男は超能力者になる為に授業こなし少しずつだが能力が上がっていったのだがある日、本物の超能力者の力を目の当たりにする。
そして自分の目の前にはそこに辿りつく事が出来ない、大きな壁がある事にようやく気付いた。
だから男は落ちこぼれの学生を見かけたら話しかける。
上を見上げず前を見据えず下を見て話す。
だが、憧れは捨てる事が出来ずどうしても超能力者のような能力が欲しかった。
他にも様々な映像が麻生の脳にリアルタイムで流れる。
これは「幻想御手」の使用者達の記憶だ。
普通の人がこの膨大な負の感情や記憶を見せられれば手を緩め、ひと時の夢だけでも見せてあげようと思うかもしれない。
だがこの男は違った。
「それがどうした。」
たった一言だけ言い放った。
「壊れた幻想」
麻生がそう告げると「幻想猛獣」のまわりを飛んでいた干将・莫耶が爆発する。
壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)。
魔力の詰まった宝具を爆弾として相手にぶつけ破裂させる技能。
土煙が晴れ、手に持っていた干将・莫耶の柄を合わせると二つの剣が繋がり弓に変形する。
「自身の能力を上げたいが為にこんなくだらない幻想に頼って、その幻想に飲まれ自身を苦しめてどうする。
自分の事だけを考えそれがどれだけ周りに迷惑がかかったか考えるんだな。」
麻生は左手を虚空に伸ばす。
「骨子、捻じれ狂う。」
そ
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