第十八話 力天その二十八
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「君は彼をどう見ているのかな」
「私か」
「そうだよ。どう見ているの?」
こう彼に問うのだった。
「彼のことは。どうかな」
「それに答える必要はあるのか?」
死神は子供に顔を向けて問い返した。
「その言葉に。私が」
「それはないよ」
相変わらず無邪気とも言える笑みで返すだけであった。
「それはね」
「そうか」
「けれど気にはなっているよね」
しかし彼はこうも問うのだった。
「その髑髏天使のことが。そうだよね」
「さてな」
その問いには何故か答えようとはしなかった。
「ただ。見るべきものはあると思っている」
「だったらそうじゃない。あるんだよ」
彼は言うのだった。
「ちゃんとね。興味があるんだよ」
「そう思いたいなら思っておくといい」
死神は今度はあえて答えはしなかった。
「貴様の好きなようにな」
「ふうん、じゃあそうさせてもらおうかな」
「私にとってはどうということはない」
そしてこうも彼に返すのだった。
「貴様がどう思おうとな」
「じゃあそう考えさせてもらうよ。それにしても」
ここでまた言う子供であった。
「今度の髑髏天使は随分と面白いね」
「俺がか」
今度は牧村自身が彼に顔を向けることになった。落ち着いた顔で。
「俺が面白いというのか」
「そうだよ。だってさ、こんなにすぐ強くなるし」
まず言うのはこのことだった。
「それにだよ。人から・・・・・・まあいいか」
何故かここから先は言おうとはしないのだった。
「それはまだわからないしね」
「何かよくわからないが話はこれで終わりだな」
死神がその横で目の光を微妙にさせたことは気付いてはいなかった。
「それではな。また会おう」
「また仲間がやって来るよ」
子供は去ろうとする牧村にまた話した。
「今度は七人目だね」
「魔神がか」
「そうだよ。七人目だよ」
このことをまた言うのだった。
「七人目が来るからね」
「その七人目も俺が倒す」
牧村は最早それを決めていたのだ。彼の中で。
「貴様もだ。それを覚えておけ」
「忘れるって言っても聞かないだろうし」
「魔物を倒すのが髑髏天使だ」
またこの言葉を出す。
「そして魔神もだ。いいな」
「その時は楽しみに待ってるよ」
また魔神の声が笑った。
「それじゃあね」
そうして最後に別れを告げてその場から消えるのだった。二人もそれを見届けてから上に上がった。先程のマニア達の部屋を横切ると。まだ彼等は侍っていてそこで車座になってあれこれと遊んでいた。
死神が彼等を見て言うのだった。
「まだいたのか」
「あれっ、あんた達も終わったのかい?」
「その用事ってやつは」
「終わった」
牧村が彼等の問いに答えた。
「今な」
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