第十八話 力天その二十四
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「二本の剣の使い方をな」
「そういうことだったんだ」
「両手のその剣をか」
「そういうことだ。そして右の剣もだ」
「おやっ」
ペクチョンが向かってくる髑髏天使に対して己の舌を出してきた。しかしそれを右の剣を一閃させてそれにより弾き返してみせたのである。
「上手いね、本当に」
「右の剣で守ることも身に着けた」
「じゃあ両手で攻めることも守ることもできるんだ」
「さらなる力を身に着けたというわけだね」
「そういうことだ」
また子供と死神に対して告げる。魔物に対してさらに向かいながら。
「両手の剣でだ」
「わかったよ。じゃあそれもね」
「見せてもらおう」
子供と死神は立場は違うが言葉は同じになっていた。
「今の髑髏天使の闘い方をね」
「是非な」
「言った筈だ。見ているといいとな」
言いながらまた魔物を斬りうける。右の剣は上から下に、左の剣は右から左に。しかし今度は完全にかわされてしまった。
「残念だったね」
攻撃をかわした魔物は楽しそうに彼に言ってきた。
「僕を斬れなくて」
「まだだ」
しかし髑髏天使は諦めていなかった。また反転してそのうえで彼に告げるのだった。
「まだ闘いは終わっていない」
「そうだね。それはね」
これは魔物も認めはした。
「けれどさ。攻撃が当たらないと勝てないよ」
言いながら今度は彼の方から動いてきた。流れるように、まるで風の如く動いてきた。
そうしてそのうえで飛翔する髑髏天使に向かう。そうしてそのうえで彼をその長い身体で取り囲みそのうえでさらに泳ぐように飛んでいた。
「ああ、もう終わったね」
「終わりだと?」
「そうだよ。これで終わりだよ」
子供はここで死神に対して語ってきたのだった。
「もうね。これでね」
「ふむ。確かに危機にはあるようだな」
死神も今の髑髏天使の状況を見て述べた。彼は宙に立ち今その周りをペクチョンに囲まれている。魔物は彼を幾重にも取り囲みその輪を次第に小さくしていった。
「このままでは」
「そうそう、ペクチョンは血を吸うんだよ」
子供はこのことをわざと思い出したようにして語ってみせてきた。
「つまりね。このままね」
「今この状況を何とかしなければか」
「そういうこと。血を吸われて終わりさ」
子供の言葉は実に楽しそうだった。まるでおもちゃで遊ぶ純粋な子供のように。
「さて、この時代の髑髏天使を倒すのはペクチョンだったんだね」
「さてな」
死神は今の魔物の言葉には懐疑的な声で応えてみせた。
「それはどうかな」
「あれっ、この状況でまだ勝てるっていうの」
「あの男の強くなる速さは尋常ではない」
死神は今まさにとぐろの中に消えんとするその髑髏天使を見てまた言うのだった。
「そしてだ」
「そして
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