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髑髏天使
第十八話 力天その十九
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「俺一人で行く。だからいい」
「しかし私もそういうわけにはいかない」
 だが死神もこう言って牧村の言葉を断る。二人は互いに断ったのである。
「見たいからな。私も」
「俺の闘いをか」
「そういうことだ。いいか」
「好きにしろ」
 今度は断ることはなかった。
「貴様がそうしたいのならな」
「そうか。それならだ」
「案内するのだな。そこに」
「その通りだ。では来るがいい」
 そのハーレーが前に出た。そうしてそのうえで彼を先導していく。
 彼等が来たのは廃墟だった。廃墟は病院だった場所だが今は誰もいない。朽ち果て寂れコンクリートが露わになったその中に入った二人は。まずはそこにたむろしている柄の悪い連中に遭遇した。
「あん!?何だこいつ等」
「俺達に何の用だよ」
 スキンヘッドの者もいれば髪を下品に茶色に染めた男もいる。わざと柄の悪い服を着て唇にピアスをしたりタトゥーを入れたりする。そんな柄の悪い連中が車座になって煙草を飲み漫画を読んでいるのだった。
「警察とか補導員だったら筋違いだぜ」
「煙草以外に悪いことはしてねえぞ」
 そして今度はこんなことを言ってきたのだった。
「こう見えても真面目な不良なんだよ」
「ちゃんと学校も行ってるし授業も出てんだぞ。馬鹿にするんじゃねえぞ」
「だから何だというのだ」
 死神は冷たい声で彼等に返した。彼等が今いる部屋の中もやはりコンクリートが露わになっている。上には蛍光灯が半ば割れてそこにある。部屋の端にはコンクリートの破片が転がっている。不良達はその中央に車座になってそこから二人を見ているのだった。
「大体こんな暗い場所にいずに明るい場所で遊んでいいだろうに」
「それじゃあ面白くないんだよ」
「廃墟には廃墟の面白さがあるんだよ」
「なあ」
 どうやら廃墟マニアの集まりらしい。
「それがわからねえのかよ」
「じゃあ帰るんだな」
「悪いがそういうわけにはいかない」
 しかし死神はこう彼等に返すのだった。
「今はな」
「今はって何だよ」
「まさかここをハッテンバにするとかか?冗談じゃねえぞ」
「そうだそうだ」
 顔を顰めさせて二人に抗議してきたのだった。
「廃墟はこうやって楽しむものだぜ、そんなのに使うなよ」
「おまけにあんた達男じゃねえか。冗談じゃねえぞ」
「ホモはお断りなんだよ」
「生憎だがそのつもりはない」
 死神はまた感情のない声で彼等に返した。
「私にはそうした機能はない」
「ああ、あんたエンドなんだな」
「何だ、そうかよ」
「とりあえず地下に行く」
 また言う死神だった。
「少し騒がしくなると思うが気にするな」
「気にするなって何するんだよ」
「ダンスでもするのかよ」
 彼等は今度はこんなことを言うのだった。
「だったら
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