暁 〜小説投稿サイト〜
未来を見据える写輪の瞳
八話
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時間をとることはできない。よって、急遽第三次試験を実施し本選出場者の削減を行わなければいけなくなったのだ。
 しかも、第三次試験は今この場ですぐに行われる。

 「えー、これより試験官は私月光ハヤテが務めさせていただきます」

 アンコの隣に現れる顔色の悪い男。ハヤテが第三次試験のルール説明を始めるも、カカシはそれを上の空で聞いていた。見つめるのは自分が受け持つ三人の子供たち。彼等がこの塔に辿り着いたのは最終日……それも終了時間にほど近い辺りだ。
 早期に合格した者達はこの塔でゆっくり休息することが出来たが、彼等はつい先ほどまで森の中でサバイバルをしていたのだ。消耗も大きいはず。それにサスケだ。今すぐにでも呪印を封印しておきたいところだが、試験がある以上そうもいかない。
 とりあえず、注意するよう促すことしかできないカカシは大きくため息をついた。

 



 「勝者、うちはサスケ!」

 初っ端に戦いをしなければならないサスケだったが、周囲の不安をよそに見事勝利を収めた。とはいえ、一度呪印が発動しかけたため薄氷の上の、といっていい内容だったが。

 「サスケ。呪印を封印するぞ、付いてくるんだ」

 「ああ」

 戦闘でチャクラを消費したせいか、サスケは声からも疲労が感じ取れる。とはいえ、封印を後回しにしておくこともできないため、カカシはサスケを伴いすぐさまその場を後にした。



 「これでよし」

 あらかじめ用意されていた部屋へと移動したカカシはすぐさま呪印封印の準備を始めた。サスケを床に座らせ、自らの血を用いて封印術の術式を描いていく。それも先ほどようやく終わり、いよいよ本番に入る所だ。

 「耐えろよ」

 ――――封印術、封邪法印!

 チャクラが送り込まれると術式は急に蠢きだしサスケの体を駆けのぼり、一路呪印を目指して突き進む。

 「ぐ、あ……ああああああああ!」

 封印に対して呪印が抵抗しているのだろう。サスケが苦悶の表情を浮かべながら絶叫する。やがて、術式の全てが呪印の元へと辿り着き、封印が終わった。

 「よく耐えたな」

 「あたり、まえだ」

 「今は休め」

 「ああ」

 疲労もついに限界に達したのだろう。サスケは死んだかのように眠り始めた。カカシはそれを見届け顔に一つ笑みを浮かべる。そして、サスケの体を担ぎあげ病室へと運ぼうとする。そこで……

 「あら、封印術も使える様になったのねえ」

 突如投げかけられたその声に、その身を固まらせた。





 ゆっくりと振り向いたその先にいるのは顔色の悪い一人の男。その男のヘビを想わせる目つき。間違いない、この男こそが大蛇丸だ。

 「大蛇丸……」

 背負いか
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