第十七話 棺桶その二十二
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「そうだ。ならばだ」
「行くぞ」
魔物は今まさに突撃せんとしていた。
「これで最後だ」
「そうだ、確かに最後だ」
髑髏天使は両手に持つ剣を構えながら言葉を返した。
「だが。それは俺ではない」
「ほう。まだあがくというのか」
「何かをしないよりは何かをする方がいい」
これは彼の普段からの考えでもあった。
「だからだ。俺は今これをする」
「私に貴様の攻撃は通じないのだがな」
これは脅しではない。確信だった。
「それを見せてやろう。またな」
「貴様をそのまま斬ることは不可能だ」
このことは最早よくわかっていることだった。
「だが」
「だが。何だ?」
「やり方はある。それを見せてやる」
言いながらその全身に風をまとっていく。凄まじい風がその全身を覆っていく。
「そして勝つ」
「勝つというのか。私に」
「来い、そして死ね」
闘志に燃え盛る目で魔物に告げた。
「この俺の剣でな」
「何をするつもりかは知らんが」
魔物の右の前足がガッ、ガッ、と土を払った。
「貴様では私には勝てない」
「少なくともこれまでのやり方ではな」
髑髏天使は身構えつつ魔物にまた言葉を返す。
「勝てはしないだろうな」
「では私が勝つ」
魔物はすぐにそう結論付けた。
「貴様の攻撃が通用しないのだからな」
「それはあくまで今までの話だ」
しかしそれはあくまで今までだと限定するのだった。
「これからは違う」
「ではそれを見せてみるのだな」
それができる筈がないとはっきり言っていた。彼は既に勝利を確信していた。
「今すぐな」
「では来るのだ」
今まさに突撃せんとしてきている魔物を見据えていた。
魔物は今度は何も言わなかった。そうして一直線に突き進んでくる。髑髏天使はその彼に対して右手に持っているその剣を振るった。しかし今度放ったのは鎌ィ足ではなかった。
「それは!?」
「これが俺の出した答えだ」
こう言うのだった。彼が出したものは竜巻だった。
その竜巻は一直線にストーンカに向かう。鎌ィ足とは変わらない速さで。
一直線に突き進む魔物をそれで止めてしまった。一歩も動けなくなったのだ。
「何っ、私の突進を?」
「確かに貴様の突進は相当な衝撃力がある」
髑髏天使はまだ身構えていた。
「しかしだ。止めることはできる」
「止めただけでは何にもなりはしないがな」
「無論これだけではない」
右手から出した竜巻だけではない、彼もまた断言した。
そして次の瞬間には今度は自分から前に出た。この闘いで彼がはじめて取った行動だった。
突進だった。竜巻により動きが取れなくなっている魔物に向かって突進しそのうえで。今度は左手に持っている剣を魔物の目の前で振るったのだった。
そして
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