SAO編
三話 GAME START
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してくれるのだろう。そしてそれは予想どうりに起こった。
[諸君は今、なぜ、と思っているだろう。何故私は──SAO及びナーヴギア開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか?これは大規模なテロなのか?あるいは身代金目的の誘拐事件なのか?と]
少しだけ、茅場の言葉に感情のかけらが見えた気がした。
気のせいかもしれないが。
[私の目的は、そのどちらでもない。それどころか、今の私は、既に一切の目的も、理由も持たない。なぜなら……この状況こそが、私にとっての最終的な目標だからだ。この世界を作り出し、”観賞”するためにのみ私はナーヴギアを、SAOを造った。そして今、全ては達成せしめられた]
一拍置いて、また感情の薄い声。
[……以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の──健闘を祈る]
最後の一言が消え、ローブの巨人も消えた。
そして──
「ふざけんなぁ!!どうなってんだよぉぉ!!」
「冗談だろ!?嘘だろぉ!!?」
「出してよ!ねぇ出してよぉ!!」
「イヤァァァァァァァ!!!!」
周りに居るプレイヤーたちが次々に咆哮し、広場は空気が震えるほどの大音響に包まれる。
ある者は泣き叫び、ある者は他人を罵り、ある者は茫然とへたり込む。
そんなこの世の終わり(ある意味正しいかもしれない)の様な状態になる広場の中で、俺は妙に落ち着いていた。
今茅場が語った事は全て現実だとすぐに受け入れる事が出来た。
それはもしかしたら、茅場という人物を元から少しでも知っていたからかもしれない。
そして同時に、言いようもないほどの怒りも感じていた。
『ふざ……けんな……』
観賞?観賞だと?そんな物のために、俺達は今このあり得ない状況に立たされていると言うのか?
茅場個人の娯楽としかとる事の出来ないその行動。そんな、物のために……!!
『アイツは、死んだってのかよ……!!』
俺は出会って間もなかった友人の姿をもう一度思い浮かべる。
まだアバターの変化前だったから、本当の姿ではなかっただろう。しかしあの目の輝きや、期待と希望に満ちていたあの言葉は、間違いなく彼自身の物だったはずだ。それを永久に消し去って置きながら。その理由が自身の娯楽のためだと!?
「上等だ……」
いつの間にか声に出して俺は言っていた。
「必ず見つけ出して、絶対にぶん殴ってやる。」
出来れば殺してやりたいが、それではあいつと同じなので止めておく。それは法に任せる。
だが、絶対に一発は殴らないと気が済まない。そのためには……
「必ず生き残ってやるぞ……」
先ず生き残る。そして必ずいつかゲームをクリアする。どれだけの時間がかかろうとも、ゆっくりとでも必ずゲームをクリアする。そう俺は
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