SAO編
三話 GAME START
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[諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊される]
予想どうりであり、できれば聞きたくない答えだった。つまりHPがゼロになれば、本当に死ぬと、そう言われたのだから。
さらに、アナウンスは続く。
[諸君がゲームから解放される条件は、たった一つ。先に述べたとおり、アインクラッドの最上部、第百層まで辿り着き、そこに待つ最終ボスを倒してゲームをクリアすればよい。その瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しよう]
プレイヤーたちは、水を打ったように静かになる。
ゲームをクリアする。それは、たしかにゲームをプレイする物にとっては当然の最終目標だ。だが、ログアウトも出来ず、一度でもHPをゼロにすれば本当に命すらも失う状況で、それを行えと言われたプレイヤーたちは、未だにこの状況を受け入れきれないでいる。
それが自分達の知る現実と言う世界の常識からあまりにも外れているがゆえに、言葉の持つ意味を理性で理解しても感情が受け入れる事を拒んでいるのだ。
「これが本当に現実なのか?」と、「自分達は今、悪い夢を見ているだけなのではないか?」と、そんな心境がこの場にいる彼らの表情からは見てとれた。
それは、かく言う俺も同じだ。
まぁ、たった数時間前まで、彼らも、俺も、「自分達の知る現実と言う世界」に居たのだから当然だ。
そんな俺達に、茅場は今やこの世界が俺たちにとっての現実だと言っている。そしてそれを構成する要素をもう一つ、茅場は俺達にたたきつけた。
[それでは、最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれ給え]
皆一斉にメニューウィンドウを開く。俺もフレンドリストから、アイテム欄に切り替え、プレゼントとやらを確認する事にした。
表示されていたアイテムは、「手鏡」
『おいおい……』
俺は、これから起こる事がなんとなく予想できた気がした。
そして、周りに居るプレイヤーの顔が白い光に包まれ、俺の視界も一瞬ホワイトアウトする。
それが終わるとそこには、先程とは違う容姿、違う体つき、一部に至っては違う性別をしたプレイヤーたちが立っていた。俺も自分の顔になっている。
恐らく、ナーヴギアの信号素子によるスキャニングやキャリブレーションなどで、身体を再現したのだろう。
「やっぱりか……」
ためしに声に出してみると、案の定、声も元の俺の声になっていた。
もはや、この世界の子の身体が自分自身のもう一つの身体だと言う事は受け入れざるを得ないようだ。後は……
「何故こんな事をするのか、ってとこだな。」
今のところそれは語られていないが、恐らくこれまでの流れから見てそれも今から説明
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