SAO編
二話 狂い始める世界
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は紛れもなく、システムを管理する運営側からのアナウンスが始まることを示している。誰もが、これで万事解決だと、そう思った。
そしてそんな皆の予想は、物の見事に裏切られることになる。主に、いや。全面的に悪い意味で。
空に、血のように赤いローブの巨人が出現した。ただし、顔無しだが。
『あぁ?』
不気味なローブの男をみて、他のプレイヤーたちも次々に疑問の声を上げる。そしてざわつき始めたプレイヤーたちを圧するように、低く、良く通る(システムそおかげだと思うが)男の声が、頭上から降り注いだ
[プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ]
『私の世界?何言ってんだこいつ。』
俺は反射的に疑問を持った、私の世界って、まるで自分個人の世界の様な言い草だ。運営側のアナウンスが言う言葉としてどうなのかと思ったが、そんな俺の疑問はしかし、あっという間に消え去る事になる。
[私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ]
「なっ……!」
俺は耳を疑った。茅場晶彦だと!?
俺は一度、色々あって茅場に会った事があった、そして今目の前にいる妖怪顔無しフード男の話し方は、紛れもなく茅場晶彦だ。ゲームデザイナーで量子物理学者、ナーヴギアの基礎設計者でもあり、若き天才と名高いあの茅場の話し方その物だった。だが……
『何やってんだ……あのオッサン?(失礼っ!)っていうか……』
あの男は人前に出て目立つ事を極端に嫌うタイプのはずだ、それがこんなところでいったい何を?
そんな事を思ってる間にも茅場のアナウンスは続く。
曰く、ログアウトボタンが消えているのは本来の仕様だの、今後この城の頂を極めるまで自発的にログアウトはできないだの……って
『本当に何言ってんだ?』
意味不明だ、わけがわからない。こいつは何を言ってる?そんな俺のパニックは無視して茅場の話は続く。
[……また、外部の人間の手による、ナーヴギアの停止あるいは解除も有り得ない。もしそれが試みられた場合──]
ほんの一瞬、息継ぎをするように間が空く、だが俺達は全員息を止めていた、そして。
[──ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる。]
空気が凍りついた。冗談だと、そう思いたかった、だが俺は、残念ながら即座にそう思う事が出来なかった。ナーヴギアは、大きなバッテリーを内部に埋め込んであり、人間の脳を焼き尽くす事など朝飯前だと、その事実を俺は知っていたからだ。
そしてその一瞬に出来た間は、俺自身の頭のどこかに、茅場の言っている事が事実だと突き付けていた
他のプレイヤーもざわつき始める、しかしその顔は一様に青ざめていて、恐怖と不安に満ちた顔だ。茅場のアナウンスは続く。
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