第十六話 青年その一
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髑髏天使
第十六話 青年
「まずはこんな感じだったよ」
あの子供だった。彼は今他の三柱の魔神達に対して話していた。
「髑髏天使も死神もね」
「そうですか。また腕をあげていますね」
「そうね。強くなっているわ」
子供の言葉を聞いて老人と女がまず言った。
「先の闘いよりも」
「一層ね」
「やはり闘う度に強くなっていっているな」
そして男もまた言うのだった。
「今の髑髏天使は。それ度にな」
「そうなんだ。そういえば髑髏天使になったまだ四ヶ月も経ってないんだよね」
「はい、その通りです」
老人が子供の問いに答えた。
「まだその程度です」
「それでもう能天使なんて凄いね」
そのことに対して賞賛さえする子供であった。
「道理で強い筈だよ。じゃあこれからも闘いがいがあるね」
「じゃあ次も行くつもりかしら」
女は子供に顔を向けてそこを問うた。
「それならそれでいいけれど」
「いいの?そんなこと言われたら僕本当に行くよ?」
「はい、どうぞ」
「好きにするがいい」
そして老人と男もまた彼に対して述べるのだった。まるぜ完全に任せるかのように。
「貴方がそれを望まれれば」
「俺は何もすることはない」
「何か随分寛容だね」
子供は彼等が自分の名乗りをそのままにしていることにあらためて思ったのだった。
「普段ならここで先を争うところなのに。昔はそうだったじゃない」
「何、貴方と久し振りに御会いできたからですよ」
老人は穏やかな声で彼に対して告げた。
「だからなのです」
「それで御祝いにってこと?この場合は御祝いじゃないよね」
「まあプレゼントね」
女はこう表現したのだった。
「強いて言うのならね。お返しはいいわ」
「そこまで言うんだったら本当に乗るよ」
「好きにするといい。何度も言うがな」
男もその態度を変えない。腕を強く組みそこから動くことはなかった。
「御前のな」
「それじゃあね。またね」
「そしてです」
老人がここでまた言ってきた。態度は穏やかだがその奥にあるものは何か窺い知れない不気味なものを含んでいた。その顔で言うのだった。
「また私達のうちの一人がここに来るそうですが」
「彼ね」
「そうだな。奴だ」
女と男もまた言った。
「やっとって感じだけれど」
「また久し振りに会うな、奴とは」
「ああ、そうだね」
子供も彼等の話を聞いて述べるのだった。
「彼とも随分会ってないからね」
「もうそろそろ来るとは思うけれど」
「まだか」
「いえ、来られましたよ」
しかしここで老人が言うのだった。
「ほら、あちらに」
「あら、来たのね」
「我等がここにいるのはも
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