第十五話 子供その十二
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「それだけの強さが確かにあります」
「だったらここは数でいこうかな」
子供はこんなことを言い出してきた。
「死神もこの世界に来ているんだったよね」
「死神も魔物達の命を刈ってきている」
男が子供に告げた。
「あの者も我等の敵になっている」
「死神もねえ。だったら余計にだよね」
子供は男の今の言葉を聞いてさらに楽しそうに述べた。
「数でやるよ」
「それでは今回は御前に任せていいのだな」
「そうしてよ」
満面の笑顔で言葉を返した。
「絶対にね。頼むよ」
「そうね」
それを聞いた女の言葉である。
「それじゃあそうしようかしら」
「私もそうさせてもらいます」
老人も意見を同じにさせた。
「ここは貴方にお任せします」
「有り難う。それじゃあね」
これで話は終わりだった。子供は楽しく笑って今度は三人に対して言ってきた。
「もうすぐもう一人来るけれどそれより前に終わらせるね」
「もう一人?ああ」
女は今の少年の言葉から何かを察したようだった。納得した顔で頷いていた。
「彼も来るのね」
「そうみたいだよ」
「これでまた一人ですね」
老人もそれに続く。
「五人です」
「ここから揃っていくのかしら」
女は少しばかり期待するように言葉を出すのだった。
「だとしたらいいのだけれどね」
「そうだな。やはり賑やかな方がいい」
男も言う。
「十二人いればそれでな」
「その通りだよ。やっぱり皆いないと」
子供もそれは同じ意見だった。やはり彼も仲間達が多い方がいいというのだ。
「つまらないよね」
「はい。神も多くてこそです」
老人もこれからのことを期待する笑顔であった。
「それでこそ楽しいのですから」
「さて、そのうえで楽しみましょう」
女も笑顔であった。期待していることは同じであった。
「髑髏天使との闘いをね」
目を細めての言葉だった。そのうえでこれからのことを考えているのだった。仲間達が集まりそして髑髏天使との闘いも激しくなっていくことに。
牧村はこの日は真夜中の街中をサイドカーで進んでいた。大きな用事ではなくただコンビニに行っただけだ。そのコンビニにしかない菓子を買ったのだ。プリンである。そのプリンはビニールに入れそれを横の車の中に入れそのうえで帰路についていた。彼以外に誰もいないその夜道を進んでいると。不意に後ろからバイクが来た。それはあの見覚えのあるハーレーダビットソンであった。
「御前か」
「久し振りと言うべきか」
ヘルメットの奥からあの声が聞こえてきた。声と共に彼の横に来ると顔を向けてきた。
「こうして会うのもな」
「そうだな。一週間ぶりか」
彼も時間を振り返って言うのだった。
「貴様と会うのも」
「また強くなったな」
ここで
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