第十四話 能天その十六
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「一体何処に」
「確かに貴様の力は強い」
何処からか髑髏天使の声が聞こえてきた。
「だが」
「だが?」
「貴様にも弱点はある。それがこれだ」
声は立ち上がり首を真上にあげた姿勢になっている彼の背からのものであった。そしてその声と共に風が動いた。凄まじい速さで突き進み一閃したのだった。
「ぐう・・・・・・」
「これで決まりだ」
髑髏天使は彼の背中の方に降り立ちそこからダッシュを仕掛け斬ったのだった。その一閃は致命傷だった。外に傷こそなかったがそれでも断ち切られていたのだった。
「これでな。貴様は終わりだ」
髑髏天使は抜けて彼に背を向けた姿勢で告げてきた。
「そうだな」
「お見事です」
狸力は後ろ足で立ち天を見上げた姿勢のまま彼の言葉に応えた。
「確かに。これで私は」
「終わりだな」
「はい」
素直にこのことを認めるのだった。
「まさか。後ろから来られるとは」
「貴様は四つ足だ」
姿勢を正し狸力に身体を向けた。そのうえでの言葉だった。
「ならば上を見上げた姿勢になれば後ろ足でバランスを取るな」
「如何にも」
「そして顔をあげる」
今彼が取っている姿勢に他ならない。
「そうなれば上にのみ注意がどうしてもいってしまう。二つ足の連中よりもな」
「それに気付かれてのことですか」
「そうだ。上手くいったな」
このことに満足しているのがわかる今の声だった。
「気付かなければ負けているのは俺だった」
「確かに。私も勝ったと思いましたが」
攻撃を仕掛けているその時まで彼が優勢だった。だからこう思うのも道理であった。しかし勝ったのは彼ではなく髑髏天使であったのだ。
「こうなるとは」
「眠れ」
髑髏天使はその彼に告げた。
「これでな。眠るがいい」
「はい。それでは」
狸力の身体をあの青白い炎が包みだした。最期の炎であった。
「これで。私は」
この言葉を最後にして己の形をした炎となって姿を消す。ダムの門での闘いはこれで終わった。髑髏天使はそれを感じ去ろうとした。しかしその時だった。
「甘いわね」
「何っ!?」
「まだ私がいるわよ」
その言葉と共だった。
不意にダムの水門の崖のところから何かが飛び出てきた。そうして彼に一直線に襲い掛かってきた。
その不意打ちに彼は何もできなかった。そのまま攻撃を受けダムの中に放り込まれてしまった。彼は水中でその何かを見たのだった。
巨大な魚だった。しかしただの魚ではない。その頭は鹿のものだった。鹿の頭をした魚、これまた異形の存在であった。優に五メートルはあった。
「狸力の仇は取らせてもらうわ」
「魔物か」
髑髏天使は水中からその異形の魚を見て言った。魚は今彼の前にその巨体を見せている。
「また出て来たのか」
「
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