第十四話 能天その十三
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牧村はその彼の前でサイドカーを止めた。そのうえでヘルメットを脱いでそれから彼に声をかけたのだった。まだサイドカーには乗っている。
「貴様か」
「髑髏天使ですね」
「今は人間の姿だがな」
バイクに乗ったまま彼に対して告げた。
「その通りだ。俺が髑髏天使で」
「来て下さり何よりです」
老人はその皺が多いが気品のある顔で彼に述べてきた。
「感謝します」
「俺は魔物と戦う存在だ」
己の髑髏天使としての存在理由を述べたのだった。
「ならば。今こうしてここに出て来るのも道理だ」
「道理ですか」
「そうだ。でははじめるのだな」
「はい」
老人は彼の言葉に静かに頷いたのだった。
「それでは。私は」
「今度は。誰だ?」
「私の名は狸力といいます」
「中国の魔物か?」
「おわかりなのですね」
「名前でわかる」
こう答えた牧村だった。答えながら今サイドカーから降りた。サイドカーは自然に彼の後ろに下がり闘いを邪魔しない場所に移った。
「その名前でな」
「九尾の狐様の下におります」
自身もこう答えたのだった。
「その通りです」
「やはりな。では俺はだ」
今度は彼が名乗るのだった。その狸力と対峙したうえでだ。
「髑髏天使だ」
「はい、承知しています」
「名乗る必要はないと思ったがな」
それをわかったうえでの名乗りであった。
「しかし。貴様が名乗ったならばこちらも名乗るのが礼儀」
「それを御承知のようで何よりです」
狸力はあくまで紳士的だ。しかしその全身から発されている妖気はかなりのものだった。牧村もそれは口には出さないが感じ取っていた。
「それではです」
「はじめるのだな」
「死合いましょう」
狸力はこう言ってきた。
「いざ」
「よし」
牧村も彼の言葉に応える。
「それではだ」
「参ります」
老人の姿が変わった。顔がまず毛に覆われ豚に似た顔になっていく。そして全身が獣のそれになり四足になる。蹴爪ができ豚に似ているが何かが違う姿になった。鳴き声は犬のそれに近い。
「変わった姿だな」
「昔から言われています」
狸力もこのことを否定しない。
「自覚もしています」
「そうか。それでは俺もだ」
彼もそれを受けて変身に入った。両手を拳にしてそのうえで胸の前で打ち合わせる。するとこそから白い光が発され全身を覆った。その中で全身を鎧で多い顔を髑髏のそれに変えていく。そうして牧村来期から髑髏天使にその姿を変えたのだった。
「行くぞ」
変身を終えると右手を前に出した。そうして一旦その右手を開いたうえで握り締めた。これが闘いのはじまりの合図となったのだった。
闘いがはじまった。まず髑髏天使はすぐに翼を生やし大天使の姿になった。そのうえで飛翔し両手に持っている剣で襲
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