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髑髏天使
第十三話 衝突その十二
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「それは今言った通りだ」
「そうか。では貴様は幸福だな」
 牧村はうわんのその言葉を聞いて次にはこう告げたのであった。
「実にな」
「俺が幸せだと」
 そしてうわんもその言葉に反応してきた。
「それはどういうことだ?」
「気に入った場所で死ねる」
 うわんを見据えての言葉であった。
「それが幸せでなくて何だというのか」
「それでか」
「そうだ」
 彼の言いたいことはこれであった。
「だから貴様は幸せだ。今からここで死ねるのだからな」
「戯言だな。ここで死ぬのは貴様だ」
 うわんは早速己の正体を出してきた。漆黒の僧侶に変わっていく。
「墓もある。安心して死ね」
「墓に入るのは貴様だ」
 そして牧村も髑髏天使になろうとしていた。
「貴様だ。それを今から証明してやる」
「では。闘うのだな」
「無論」 
 返答はもう決まっていた。
「少なくとも退くつもりはない」
「それはこちらも同じだ」
 既にうわんは完全にその正体を現わしていた。しかしまだ彼からは来ない。そのかわりこう牧村に言うのだった。
「早く変身しろ」
「早くか」
「人間の姿の貴様と闘う趣味はない」
 これが彼の言葉であった。
「だからだ。早く変身しろ」
「人間としての俺には興味がないか」
 牧村はそこにうわんの魔物としての誇りを感じた。それを感じ取り決して悪い気はしなかった。
「あくまで髑髏天使としての俺に興味があるのか」
「何度も言うが魔物は強い相手と闘ってこそその力を得られる」
 うわんの返答は鋭く確かなものであった。
「だからだ。これでわかったな」
「わかった。それではだ」
「変身するのだ」
 うわんはまた彼に告げた。
「いいな。今すぐにだ」
「わかっている。それではだ」
 彼の言葉を受ける形で変身に入った。両手を拳にしそrを胸の前で打ち合わせる。そこから白い光が発し全身を包み込む。彼はその中で顔が髑髏になっていき服が鎧となっていく。そうして今度も異形の戦士髑髏天使となるのだった。
 髑髏天使になるとすぐに右手を前に出した。そうしてそれを握って言うのだった。
「行くぞ」
「あの時は残念だったからな」
 うわんは身構えながら髑髏天使となった彼に対して言ってきた。
「闘えずな」
「そうか。それだけ残念だったか」
「如何にも何度も言うが闘うことこそ魔物の生きている理由」
 またこのことを言うのだった。
「だからだ。今こうして貴様と合間見えているのが楽しくて仕方がない」
「そうか」
「そうだ。だからこそだ」
 その構えは両手を拳にして右の方を前に出している。どうやらその拳で闘うようだと髑髏天使は彼の姿を見ながら考えるのだった。
「早くはじめるか」
「貴様が望むならな」
 髑髏天使はその右手に剣
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