第111話 遼西の雄 後編
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そうですが恋姫世界で知恵が回る人間はどうしてこう幼女が多いのでしょう。
冥琳みたいな例外はありますけど。
私はなんとなく冥琳を見ました。
「降伏した以上、我らに従って貰うぞ。?頓(とうとつ)より聞いているだろう。遼東郡大守の官職を与える代わりに、蘇僕延の首を正宗様に献上して貰う。偽りであれば、一族封殺と心得よ」
冥琳は眼光鋭く、丘力居を睨みつけ言いました。
「その話は?頓(とうとつ)より聞いております。 私もその点を劉将軍にご確認したく参りました」
丘力居は冥琳の睨みを意に介さず、私の方を向きました。
「異民族に大守の地位など前例がない」
私は丘力居に確認するように言いました。
「ええ」
丘力居は真剣な表情で私を見ました。
「故に、丘力居。お前には偽名を名乗れ。朝廷に上奏したところで一笑に伏されるのが落ち。お前にとっては不快かもしれぬがな。どうだ。この話を受けるか? ただし、蘇僕延の首が不可欠だがな」
私は彼女を厳しい表情で見ました。
「その程度のことで良いのですか? ならば全然問題などございません」
「本当に良いのか?」
私は丘力居が難色を示さなかったことに少し驚きました。
「それで何と名乗れば良いのですか?」
丘力居は私に話を促すように言いました。
「ああ、公孫度と名乗るといい」
遼東郡大守と言えば公孫度でしょう。
縁起が悪い気もしますがまあいいでしょう。
「ふふ、公孫度ですか。劉将軍もなかなか皮肉な御方ですね」
丘力居はほくそ笑み私に言いました。
「幽州ではまあまあ一般的な名前だろう。それに同じ姓だからといって、啄郡大守と同じ一族とは限らないだろう」
「わかりました。その名で構いませぬ。ですが、啄郡大守に目を付けられるようなことがあらば、お助けくださいね」
丘力居は応諾の返事をしました。
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