第111話 遼西の雄 後編
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はこの荒廃した世を立て直し、民が暮らし易い世を実現したい。勿論、その中には彼ら烏桓族も含まれている。しかし、彼らが私の求める世を乱す存在なら滅ぼすだけだ」
私は言いよどむことなく、冥琳に言いました。
「冥琳、心配などしなくていい。遼東郡の北に居座る異民族を鎮武するのは丘力居が幾ら優れていても骨が折れるはず。私を敵に回し南下するなど無理な話だ」
「その異民族は?」
「多分、この時代なら高句麗だろう。仮に高句麗が居なくても彼の地には異民族がひしめき合っている。いかに丘力居が優れていたとしても苦労するのは目に見えている。私は彼女を信頼している訳じゃない。遼東郡の以北より異民族の侵入を防げる人物として申し分ないと思っているだけだ。彼女を信頼に足るか判断するのはこれからの彼女を見てから決めればいい」
「そこまで考えてのご発言でしたか? 私はてっきり思いつきで発言されたのかと思いました」
冥琳は安心した表情で私を見つめました。
「お前が丘力居なのか?」
私の前にワイルドな服装の幼女が立っています。
?頓(とうとつ)とは従姉妹なんですよね。
明らかに血の繋がりがないんじゃないですか?
「劉将軍、何か?」
丘力居はコメカミをひくつかせ私を笑顔で見ました。
私の気持ちが分かったのでしょうか?
「いや、何もない。丘力居、よく来てくれた。歓迎するぞ」
私は気持ちを切り替え彼女に声を掛けました。
遼西烏桓族の連れは?頓(とうとつ)と他に女の烏桓族が二名でした。
彼らは武器を一切身につけていません。
「この度は劉将軍に置かれましては寛大なるご処置に感謝いたします」
幼女なのにハスキーボイスで私に礼を述べました。
一瞬、彼女の声に聞き惚れたのは内緒です。
確か・・・・・・。
丘力居には後継者がいましたよね。
誰でしたっけ?
私は自分で彼女の情報を調べ、彼女の子供が楼班だと分かりました。
「正宗様」
冥琳が物思いに耽る私に声を掛けてきました。
「丘力居、まずお前に聞きたいことがある。何故、私に降伏すると決心した。お前達の規模の勢力ならば我らと一戦交えると思っていたのだがな」
私は彼女に直接尋ねました。
「あなた様が我らより略奪と殺戮を行う気であるならばいざ知らず、わざわざ勝てぬ戦に挑む気など毛頭ありません」
幼女は大人ぶった表情で私を見つめました。
見た目はまんま幼女ですが中身は大人ですね。
違和感があるますが彼女を幼女と思ってはいけません。
朱里も
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