暁 〜小説投稿サイト〜
髑髏天使
第十二話 大鎌その十七
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
それぞれ見る。するとそこには彼がいた。
「貴様か」
「そうだ」
 死神だった。彼は何時の間にかこの場にいたのだった。
「私もまた。やるべきことがあるのだ」
「この魔物の魂を刈るつもりか」
「その通りだ」
 これが死神の仕事であった。
「だからこそここに来た。その魔物の相手は私がさせてもらう」
「嫌だと言えば」
 髑髏天使は言葉にあえて疑問符はつけなかった。
「その場合はどうするつもりだ」
「前に二度か三度言った通りだ」
 死神の返答は厳然としたものだった。
「その通りだ」
「そういうことか」
「それに貴様は既に魔物を一人倒している」
 先の妖犬との闘いのことだ。彼はこのことを知っているようだ。少なくとも察してはいる。
「ならば。次は」
「俺は髑髏天使だ」
 彼は答えずまずはこう言った。
「魔物を倒す。髑髏天使だ」
「私は魂を刈る者」 
 死神もまた言う。
「それが私だ」
「引かないというのだな」
「貴様も」
 今度は二人が対峙しだした。
「ならば。容赦はしない」
「できることなら闘いは避けたかったがな」
 死神は今は大鎌を出してはいない。しかしその言葉に既に出していた。
「そうも行かないようだな」
「貴様との闘いは後だ」
 髑髏天使はうわんに顔を向けて告げた。
「今は」
「まずは貴様とだな」
 二人は対峙する。お互いに凄まじいまでの殺気を放ちながら今剣と鎌がその刃を刻み合おうとしていた。薄赤い光が灯す中で。


第十二話   完


                 2009・2・26
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ