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髑髏天使
第十一話 死神その十三
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「それは言っておこう」
「では神の力見せてもらおう」
 しばてんもだからといって退くつもりはなかったのだった。
「この俺にな」
「髑髏天使よ」
 死神はしばてんとの話を終えたとみると牧村に顔を向け彼を髑髏天使とあえて呼んだのだった。その中性的な顔と声で。
「今は貴様の出番はない」
「貴様が倒すからか」
「如何にも」
 言葉には微動だにしないものがあった。
「だからだ。休んでいてもらおう」
「嫌だと言えば?」
「その時は無理にでも通らせてもらう」
 言葉だけでなく視線も鋭いものになっていた。
「それが私のやり方だ」
「どうしても闘いたいか」
「仕事だ」
 まずは己のやるべきことも述べる。
「だが。それ以上に」
「闘いが好きか」
「死神は命を刈るもの」
 言葉の鋭さはまさに刃であった。その刃の煌きを隠そうともしない。
「それは闘いによってだ」
「だからこそか」
「貴様の命を刈るつもりはない」
 これもまた前以って言ってきた。
「しかしだ。私に譲らないというのならな」
「どうやら向こうもまずは貴様と闘いたいようだな」
 牧村はここでそのまま答えることはなくまずはこう述べたのだった。
「それではだ」
「下がっていろ」
 今度の言葉はこれだけだった。
「そしてそこで私の闘いを見ているがいい」
「死神の闘いをか」
「一つ言っておく」
 死神はさらに一歩踏み込んだうえでまた述べた。
「私は強い」
「強いか」
「何度も言うが私は神だ」
 その死を司る神だというのだ。
「その神の力。見ておくことだ」
「ではその力。喜んで見せてもらおう」
 牧村は自分が立っている場所から身動き一つすることなく言葉を返した。
「その自信もな」
「自信は完全な裏づけがあってこそ成り立つもの」
 死神は足を止めて牧村に告げた。
「それがなければただの虚勢だ」
「虚勢ではないか」
「私の強さ」
 死神はここで己の右手をゆっくりと前に出してきた。
「今こそここに」
 この言葉と共にその前に出した右手を胸のところで強く握り締めた。するとその拳から青い光が放たれ死神の全身を包み込んだ。青い光が消えるとそこには女と見紛うばかりの美貌の異形が存在していた。
 白い丈の長いスカートはワンピースだった。腕も何もかもを包み込みフードが付いた同じ色のケーブも羽織っている。
 ブーツとスカートから覗く脚は漆黒でそれが白い服の下からその身体をさらに包み込んでいた。手袋もそれと同じで黒であり皮を思わせる光沢を放っている。右手には巨大な、禍々しい銀の輝きを放つ刃を持つ大鎌を持っている。顔は変わってはいない。だがその殺気は尋常ではないものになっていた。
「それが貴様の真の姿か」
「如何にも」
 己の背中から声をかけ
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