第十一話 死神その十一
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「ゼリーにはね」
「そうすればいい」
「了解。じゃあどんどん作るわ」
このことも言うのだった。
「何度失敗してもね」
「それでいい。失敗できるものはどれだけ失敗してもいい」
やはりここでも髑髏天使としての一面が出て来ているのだがやはりそれは未久にはわからないのだった。何故なら彼女は知らないからだ。
「幾らでもな」
「うん、めげずにね」
こう言葉を交えさせていた。これでここでの兄と妹の話は終わった。その翌日。牧村が砂浜にサイドカーを止めてただ海を眺めていると。そこに来た。
「まさかここで来るとはな」
「意外だったとでもいうのか?」
「正直に言おう」
砂浜は牧村から見て右手に海がある。今海は紅と銀の二つの光を放っている。太陽が今にも海の中に消えようとしている。紅く鈍く光る太陽が。そして砂は次第にその色を黒くさせていっていた。世界は今光から闇へと変わろうとしている、そんな時間であった。
「御前等にとってはな」
「我々にとってはか」
「そうだ」
こう前の前にいる男に対して返すのだった。男は背が高く白い服を着ている。髪も白くそれがやけに目立つ。大柄で筋肉質であった。
「御前等はいつも俺を呼び止めているからな」
「少なくとも御前と闘いたい」
その白い服の男は言うのだった。
「俺達はな」
「それが御前等の習性だからか」
「そうだ。俺達は貴様を倒したい」
牧村を見据えて語る。
「何としてもな」
「俺の力を手に入れる為にか」
「如何にも。五十年に一度姿を現わし我等魔物を倒す髑髏天使」
他ならぬ牧村のことである。
「確かに貴様は我等にとって脅威だ」
「少なくとも火の粉は払う主義だ」
「だが。それと共にその力」
髑髏天使の力であるのは言うまでもない。
「倒せば我等のものとなる」
「そしてさらなる力を求めるのか」
「その通りだ。だからだ」
これが返答であった。
「貴様を倒す為に。我等は」
「言葉は不要だな。ならばだ」
牧村としてもこれ以上語るつもりはなかった。語ろうが何をしようが闘いが避けられないのはわかっていたしそもそも彼の方で避けるつもりもなかった。
「来い。相手をしてやろう」
「話がわかるな」
「俺は話はわからん」
男に対して返した。
「ただ」
「ただ?」
「無駄話が嫌いなだけだ」
こう返すのだった。
「俺はな」
「?どういうことだ」
「話そうが何をしようが闘うことになる」
髑髏天使と魔物の関係そのものだった。
「ならばだ。話すこともない」
「そういうことか」
「その通りだ。それではだ」
「ふむ。では参るとしよう」
男の顔の形が急に変わってきた。
「俺もな」
「むっ!?」
「これが俺の姿」
顔が猿のものになっていった。それ
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