第十一話 死神その四
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「本当に。そんな調子だけれど」
「最低そこまでならないと駄目かもな」
ここで何故かこんなことを言う牧村だった。
「俺が。あいつ等に勝つにはな」
「また何か変なこと言うし」
牧村の言葉がまたわからなくなって目を顰めさせた。
「それでもどうせ何でもないのよな」
「そうだ」
やはり返事は決まっていた。
「気にすることはない。俺だけの話だ」
「それはいいけれど変なことにはならないでね」
「変なこと?」
「そうよ。何か得体の知れない組織と闘うとか」
若奈はこれは冗談で言った。特撮のその話である。
「そういうのはなしよ」
「組織か」
だがここで牧村の言葉は不意に止まったのだった。
「そうだな。そういうものか」
「!?」
「いや、違うか」
「違うって何が?」
「ゲームの話だ」
流石に今の言葉はまずいと思いこう言って誤魔化したのだった。
「今やっているゲームのな」
「それじゃあ今までの話も?」
「どうも最近熱中していてな」
こう言って誤魔化し続けることを選んだのだった。
「それでな」
「何だ、そうだったの」
それを聞いてまずは納得した若奈だった。
「ゲームの話だったの」
「身体も使うゲームだ」
そういう意味では間違いではない言葉だった。
「それはな」
「ふうん。テニスとかフェシング以外にもやってるのね」
「少しな。それもあってな」
「やっとわかったわ。そういうことだったのね」
若奈は彼がゲームセンターか何処かでそうしたゲームに凝っているのだと思った。彼も人並みにそうした店に通っていることも知っているからだ。
「それでなの」
「そういうことだな」
「何かと思ったら。まあいいわ」
だがそうした言葉を聞いて安心もする若奈だった。彼が何か得体の知れないことをしているのではと思い不安を感じてもいたからだ。
「そういうことならね」
「納得してくれたか」
「一応は。それじゃあ牧村君」
「今度は何だ?」
「このランニングの後だけれど」
「ああ」
「筋力トレーニングよね」
メニューの話であった。トレーニングの。
「やっぱり。それよね」
「そのつもりだが」
「何か本当に一通りやるのね」
若奈は感心したように彼に言うのだった。
「やるってなったら」
「やるからにはな」
そして牧村もそれを肯定するのだった。
「やる。一通りな」
「だったらいいけれど。ただ」
「ただ?」
「オーバーワークには本当に気をつけてね」
彼女が注意するのはそこであった。
「あと。アフターケアもね」
「それはさっきも言った通りだ」
「ちゃんと気をつけてるのね」
「いざという時に動けなかったら何にもならない」
牧村の言葉のキレが鋭いものにまたなってきた。
「そう
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