双葉時代・共闘編<後編>
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、口に放り込まれた兵糧丸を噛み砕く。思わず吐き出したくなる苦味に、顔が引き攣った。
あれれ? なんかこれ、さっきまでの私が食べていた千手製の兵糧丸と味が違くね。どっちも不味いのは同じだけど、こっちの方が苦味が酷いと言うか……。
「……うちは製の兵糧丸だ。文句あるか?」
「いいえ、ありません」
苦いけど、体の底からチャクラが湧き出てくる。
顔を顰めながらも立ち上がって七尾と対峙しようとしていた私の前に、マダラが立った。
「……怪我人はそこで大人しくしていろ」
「は? 何をするつもりなんだ?」
「……別に。オレの方も試してみたい術があったからな――相手が七尾であると言うのであれば丁度いい」
肩を押しのけられ、負傷した足を押さえて地面に片膝をつく。
そのままマダラの背中を眺めていたら、不意にその全身を猛る紫の炎が覆った。
普段マダラが使っている骸骨の鎧でも、捻れた一角の鬼でもない。
それは巨大な天狗を思わせた。
しかも、形が未だに不明瞭でチャクラが定まっていないとはいえ、あの七尾と同じ位……いや、それ以上に大きいかもしれない。
……あれも、万華鏡の能力の一つなんだろうか。
「――チッ。やはり未完成の様だな……まあいい」
巨大な天狗の頭部に収まっているマダラは不満そうに言いながらも、天狗を模した巨大武者の腕を振るう。
文字通り大地を砕く豪腕が七尾の巨躯へと叩き付けられ、七尾が声にならない苦痛の叫びを上げた。
……え、えげつねー。
木遁のせいで碌に身動きが取れない七尾の、人間で言えば鳩尾に当たる部分に天狗の豪腕が叩き込まれたのを目撃した私は、頬が引き攣るのを押さえ切れなかった。
いやだわ何なのさ、あのデカイの。
まだ未完成っぽいけど、私将来あんな奴と渡り合わなきゃいけなくなる訳? やだなぁ、あれとやり合うの。下手すれば腕の一振りでミンチにされてしまいそうだ。
現実逃避気味にそんな事を考えていれば、巨大天狗を構成していたチャクラが不安定に揺れて、天狗の姿が掻き消える。
荒い息を吐いているマダラの様子からして、やはり未完成であり、体にかかる負担は相当の物であるようだ。奥の手中の、奥の手……といった所か。
そうしてから、私は向こうに見えた赤い頭にほっと肩を落とした。
「あね、兄上! 遅くなって済みません、ミトを連れてきました!!」
「柱間様! それに、そこにいるのは……!」
「今はこいつの事気にしなくていいから! ミト、七尾を鎮めたい! 頼めるか!?」
「――はいっ!」
生命力に溢れた鮮やかな赤い髪を振り乱しながら現れたミトが私の姿を見て顔色を変えるが、微笑みを浮かべながら頼み込めば、力強い輝きを灯した灰鼠色の瞳が
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