双葉時代・共闘編<後編>
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まう。
――――それが、失敗だった。
一瞬の気の弛みは、戦場では命取りだ。
そう何度も、父上からも先輩忍者達からも教わって来たのに、私はそのミスを犯してしまった。
七尾の尾の一本が、木々の拘束から解放される。
その尾の落とされる方向を見て、私は自分の顔色が変わってしまうのを感じた。
――――マズイ、そっちには……!
残り少ないチャクラを使って、自身に瞬身の術を掛ける。
頼むから間に合ってくれよ! その一念だけで、必死に地を蹴った。
「う、ああああぁぁっ!」
「――!!」
足を貫いた灼熱に、口から押さえ切れなかった声が漏れた。
痛い、痛い、痛い!! 何か鋭い物で足を抉られ、目尻に涙が浮かぶ。
けれどもこれ以上の泣き言は私の意地と矜持が許さなかった。涙で滲んだ視界に映る巨大な影に向かって、無我夢中で手を向ける。そのままありったけのチャクラを込めて、相手を叩きのめす様をイメージする。
半ば悲鳴の様な声が上がったのと同時に、大きな物が地に落とされた鈍い地響きが私の体の奥まで震わせた。
「貴様、何故……?」
「知るか! 勝手に体が動いたんだ、私にだって分かるか馬鹿野郎!!」
押し倒した形のマダラが唖然とした声を上げているが、無視だ無視! つーか、マジで痛いよ!
滲んだ視界を必死に凝らして、痛みの原因を見つめる。
七尾の尾に砕かれて凶器の様に尖った長い木片が、私の足の防具の隙間を貫いた様だ。
木遁使いが木にやられるなんて、洒落にならないよ……!
そう言えばどさくさに紛れて一人称・私を使ったけど大丈夫だよね? どうでもいい事を考える事で、痛みから気を逸らす。
「こうなったのも、オレのせいだ。すまん、抑え切れなかった」
ものすごく痛いが、足から破片を抜くのはもう少し我慢した方がいいだろう。
普段から使用している自動治癒の術を意図的に解除して、敢えて負傷したままでいる。
木片を取り除かないままに治癒を行えば、肉の中に破片が刺さった状態で傷口を治してしまう。
それだけはごめんこうむる。
木の欠片が止血弁代わりになっているので、出血に関してはそう考えなくてもいい。
後で落ち着いた場所で処置を行うのが最善の手段だろう。
「――っつ! マダラ!」
動けば同時に肉が抉られる。その痛みを必死に堪えて、覆い被さっていたマダラから身を起こす。
低い声で名を呼ぶと、何処か動揺した様子のマダラの赤い目が私を見つめていた。
「そこらへんに、巾着が落ちていないか……? 中に兵糧丸が入ってる、筈だ」
「――……口を開けろ」
「おう! って、なんか普段よりマズイ!!」
右手を七尾の方へと差し出したまま
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