第十話 権天その二十四
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彼はこう言ってきた。
「髑髏天使よ」
「何だ」
そして髑髏天使に声をかけてきたのだった。
「どうやら貴様の勝ちだな」
「俺のか」
「そうだ。俺は最早限界だ」
見ればその青い炎が少しずつ弱まってきていた。
「これでな。負けを認める」
「そうか」
「どうやら貴様は俺が思っていた以上に恐ろしい男のようだ」
「随分と俺を褒めてくれるものだな」
「褒めているのは事実だ」
彼もそれは認めるのだった。
「しかしだ」
「しかし?」
「これは事実だ」
こう言うのだった。
「だからこそ貴様は勝った」
「そういうことか」
「この力比べにな」
今の炎の対決をこう表現したのだった。
「それが何よりの証拠だ」
「ならばその言葉受けよう」
こう言われては髑髏天使も受けるしかなかった。
「貴様のその言葉をな」
「遠慮することはない。ウェンティゴ様には申し訳ないがな」
「あの男の名前だな」
「その通りだ」
そのことも認めてきた。
「あの方のな」
「何時かあの男とも闘う時が来るのかもな」
「その時が早いことを祈る」
彼はまた髑髏天使に対して言ってきたのだった。
「できるだけな。それを見届けられないことだけが心残りだが」
「そうか」
「さらばだ」
ポルトーの身体をまた青白い炎が包んだ。しかしその炎は先程までの彼自身の炎とはまた違う炎であった。
「髑髏天使よ、貴様と闘えたことを俺の最後の誇りとしよう」
「その言葉、例を述べておく」
ポルトーはその型のまま青白い炎となって燃え尽きた。これで髑髏天使とポルトーの戦いは終わった。彼は牧村の姿に戻りサイドカーの置いてある駐車場に向かった。
その駐車場は百貨店の地下にあった。そこに入り暗い中を進みサイドカーの横に来てそのまま乗り駐車場を後にする。するとその横にハーレーダビットソンが来て彼を追い越していった。不意にそのハーレーを見てどうにも違和感を感じるのだった。
「あのハーレーは」
しかしそう思ったのは一瞬でハーレーはそのまま姿を消した。彼はそれでハーレーから考えを移しそのまま帰路についたのだった。この闘いはこれで終わりだった。
第十話 完
2008・12・31
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