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木の葉芽吹きて大樹為す
双葉時代・共闘編<前編>
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感で感じ取る。

「いいから早く! 今は人間同士で争ってる場合じゃないんだ!」

 多分、焦りで自分は凄い表情を浮かべていたと思う。
 敵対している筈のうちはの忍びまでもが、私の方を見て驚いた顔をする。
 千手の忍び達の方は私の異常に気付いて少しずつ撤退を始めているが、うちははそうもいかない。
 相手が攻撃をするかしないかを悩んでいるのを感じ取りながら、私は急いで戦場を見渡す。そうしてから見知った顔を発見して、一気に跳躍した。

「弟君!」
「――……千手柱間?」

 返り血を浴びたのか、頬に赤い液体が付いている。
 揺らめく炎をそのまま移し取った様な写輪眼は兄と変わらない。数度だけ相見えた事のある少年の面影を残す青年に向かって、私は必死に呼びかけた。

「せめてうちはの忍び達をここから離れた所に行く様に言ってくれ! もう時間がない!」
「何を言って……? ――兄さん!!」
「人との勝負を投げ出しておいて、何をしようとしている。……イズナ、怪我は無いか?」

 弟思いなのもいいけど、その半分を私に対して使ってくれ。
 どうでもいい事を脳内で考えてしまうのは、現実逃避だろうか。それにしてもマジでやばいぞ、この状況。

「自分が無茶を言っているのは分かってるさ! けど、それどころじゃないんだ! 今すぐこの場から――って、遅かったか!」
「兄さん、あれを!」

 ああもう! こんな事している場合じゃなかった。さっさと木遁でも使って、追い払えば良かったんだ!
 私達が戦っていた草原を囲む森の向こうに、巨大かつ長大な影が落とされる。
 うちはの忍び達があちこちで息を飲む音がした。

「おいおい、あれって……!」
「まさか、嘘だろ!?」

 圧倒的な姿に、勇猛で知られるうちはの忍び達の間から悲鳴が上がった。
 そう、それが人として当然の感覚だろう。山の向こうから姿を現した巨体に、私は額の汗を拭う。

 これが出てくる前に、何とかして全員を離れさせたかったのだけど……!

「尾が七本……! 七尾の尾獣なのか!?」
「まずいぞこんなの。このままじゃ、全員全滅だ」

 騒然としだしたうちはの忍び達。
 一瞬で状況を把握したらしいマダラが、ざわめくうちはの忍び達を一喝した。

「――静まれ! 我らも直ちにこの場から離れるぞ! ――イズナ、お前がオレの代わりを務めろ」
「けど! だったら、兄さんはどうするの?」
「オレは頭領だ。一族を守るに決まっているだろう?」

 基本的に戦場では一対一でマダラと向かい合う事が多かったから、彼の頭領としての姿を見たのはこれが始めてかもしれない。混乱状態に陥っていた一族の者を、一言で元の状態に戻してしまったのは流石だ。

「いいや、マダラ。お前も弟君
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