双葉時代・共闘編<前編>
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緊迫した雰囲気に身を固くした千手の忍びが、潜めた声で私へと囁きかけた。
「先程、千手の感知系忍者達から報告がありました。この戦場に向かって、強大なチャクラを持つ何かが接近中だそうです。――如何なされますか、頭領?」
「強大なチャクラ、だと? それってまさか……!」
脳裏に九本の尾を持つ朱金色の獣の姿が浮かび上がる。
まさか、戦場の熱気に当てられてやって来たんじゃあるまいな?
強敵と戦っているせいか普段よりも研ぎ澄まされた感覚が、警鐘を鳴らした。
「――――扉間、聞こえるか!?」
「何のつもりだ、柱間!!」
急に大声を出した私に対して、マダラの方も怒声を上げる。
それを無視し、側に居た千手の忍びの腕を掴んで、マダラから大きく距離を取る。
切羽詰まった私の呼声に気付いて瞬身の術を使用して現れた弟の水遁とマダラの火遁がぶつかりあった。
「――お呼びですか、兄上!」
「今すぐミトを呼んで欲しい。――頼めるか?」
「ミトを、ですか? 何のために?」
訳が分からないとばかりに不審な表情を浮かべる扉間。
その間に、マダラの攻撃を巨木に絡めた大剣で防御させる。報告に来た千手の忍びにかかった火の粉を、右手で払い落とした。
「とにかく火急の用件なんだ! それから、この場にいる全員に直ちにここから離れる様に伝えろ!!」
「は、はいっ!」
前半は扉間に、後半は報告に来た千手の忍びに。
それから私はマダラの太刀の攻撃を敢えて受け止め、マダラの赤い目を見据えた。
「話は聞いたろ? 今すぐうちはの忍び達も引かせてくれ」
「――敵の言う事を鵜呑みに出来ると?」
マダラの言う事も最もだが、今回ばかりは急を要する。
額に流れる汗は嫌な予感のせいだと思いたい。
「……悪いが、オレは一族の長だからな。皆を守らなくてはいけないんでね」
「どういう意味だ――柱間っ!?」
火花を鳴らしていた刀を握る手からわざと力を抜き、押される勢いに任せて一気にマダラから距離を取る。
初めて取る行動にマダラが驚いた顔をしていたが、それどころではない。
そのまま一気に、千手とうちはの者達が争っている場所へと瞬身で移動する。
「頭領!?」
「千手柱間が、何故……!」
両一族共に驚いた声を上げ、突然現れた私に目を向ける。
戦場で鍛えられた腹筋を使って、全員に聞こえ渡る様に声を張り上げた。
「千手とうちは両一族の者達に告げる! 今すぐここから離れるんだ!!」
「何を馬鹿な事を……!」
「柱間様? 何故そのような事を!?」
あちこちで不審そうな声に、訝し気な声が上がるが、余り時間がない。
ただでさえ高速で移動していた気配が、徐々に接近してくるのを第六
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