双葉時代・対峙編<後編>
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新術を披露してくれやがって、付き合うこっちの身にもなれってんだ。
頑張れ自分、頑張れ私。
こいつを倒せば、集落に帰れる。そんでもってミトに癒してもらうんだ。頑張れ……!
「土遁・土流壁の術! 木遁・大樹林の術!!」
土遁でマダラの周囲を囲む様に、小山程の大きさがある一繋がりの土の壁を形成する。そうして出来上がった土台の上で、木遁の印を組んだ。
そっちが新術で来るなら、こっちだって新術で迎え撃ってやらぁ……!
「何を考えている……!?」
「先に謝っとくわ、死ぬなよ!」
多分、こいつ以外にやったら物凄く悲惨な火傷を負った死体が出来ると思うけど、あの厄介そうな鎧を崩すのにはこれぐらいしないと無理だろう。
これからするのは、戦場初披露になる木遁の術。私が操るのは、樹木だけとは限らないのだ。
「――木遁・花樹界降臨!」
土の壁の内部に編み目を張り巡らせる様に発生した無数の木々。それだけなら普通の樹界降誕と同じだが、これには続きがある。
樹界降誕時には無かった、焦げ茶色の幹の所々に点在する薄桃色の蕾の数々。
――それが一気に花開いて、土の壁の内部に大量の花粉を撒き散らした。
催眠効果のある花粉だが、相手は腐ってもうちはマダラ。
万華鏡にまで至ったうちはの天才だ。
この程度で倒れてくれる様な生易しい相手でない事は身に染みて知ってる。
花粉で満たされる壁の内側を見下ろしながら、外部の方へと向けていた大樹林をそのまま一気に壁の内部へと放り落とした。
――――燃え盛る炎を纏わせたままの、大樹林の木々を。
同時に勢い良く土の壁から飛び降りて、その場から離れる。
背後で着火した花粉が爆発している音が断続して響いてくる。
……私が起こしたのは俗に言う粉塵爆発だが……あいつ、大丈夫かなぁ……?
引き上げの合図が聞こえてきたので、背後を気にしながら集合場所へと急いだ。
その際、土の壁が粉砕される音が聞こえて来たのでマダラは大丈夫だろう。――多分だけどね。
因みに、次に戦場で会った時の彼は、ぴんぴんしていた事を追記しておく。
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