双葉時代・対峙編<中編>
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。ちょっと支度するから、詳しい事聞いといて」
「了解しました」
話を聞けば、任務帰りの千手の忍びに日向一族の者達が接触を図ったらしい。
日時と場所を指定した巻物を渡された千手の者達であったが、そこに千手柱間だけ来てもらいたいと書かれていた事に、一族の者達は難色を示した。
「正直、幾ら姉上でも危険が大きすぎます。今まで通り、空区での会合であれば良かったのですが……日向が指名して来た場所は……」
「人里どころか民家もない、無い無い尽くしの丘の上。もし仮に騙し討ちにあっても文句は言えないよな」
「それでも行かれるのですか?」
「うん」
正装を纏うのを手伝ってくれたミトが、不安そうに私の顔を覗く。
それに小さく頷いた。
「おそらく騙し討ちの心配はいらないと思う。相手は気位の高い忍びの中でも、名門と自負している日向だ。そんな卑怯な真似をする必要も無いだろうしね」
「でも、柱間様……」
「大丈夫だよ、ミト。扉間も、そんな不安そうな顔をしない」
「ですが……」
心配そうな弟妹達の頭をくしゃくしゃと撫でる。
そうしてから幼い頃に父上から戴いて以来、ずっと使い続けている愛刀を腰に佩いた。
「それに何かあったら、すぐに逃げるから。……それに」
印を組んでチャクラを練る。
煙と共に、私の隣にもう一人の私が出て来た。
「影分身を置いておく。影分身は私と繋がっているから、何か聞きたい事があればこいつに聞く事」
影分身の私と目を合わせて頷き合う。
もしもの事があれば、影分身は消える。その事実を知っている二人も、神妙な顔で頷いた。
「じゃあ、いってくるよ。二人共、留守を任せたよ」
「はい!」
「はい、姉者こそお気を付けて」
途中、千手の者達とも暫しの別れの挨拶を交わして、私は指定された場所へと向かった。
「正直に申すのであれば……我らはあの様な書状を出しはしましたが、本当にお一人だけで来られるとは思っておりませんでした」
「まあ、普通に考えれば一人でのこのこ来ませんよね」
あはは、と笑って頭を掻けば、呆れた様に向かいに座している日向の長老殿が溜め息を吐かれた。
その周りで佇んでいる日向の若い衆も、私に向けて白い目を向けている。……元から彼らの目は白いけど。
「じゃが……。そのお蔭で我らの心も決まった」
「長老……!」
日向の者達が、顔を見合わせる。
そうしてから、長老殿は私の方を向いて静かに宣言した。
「柱間殿。我ら日向一族は千手を始めとする忍び連合に入るか否かを決める時、一つ決断した。もし、あなたが自身に取って非常な不利な状況であるにもかかわらず、書状通り供の一人も連れずに我々の元に来たのであれば、あなたを信ず
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