双葉時代・対峙編<中編>
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結論から言うと、ぼっこぼこにしてやりました。
――誰が?
私が。
――誰を?
うちはマダラを。
そしてその事に関して、私は猛烈な後悔に襲われていた。
「ぬぉおお……! いくらなんでもやり過ぎたぁ……!」
そう。後々やり過ぎではないだろうかと自分で猛省してしまう程に。
そう成った原因の一つはマダラにもある。
断言するが、マダラは今まで戦って来た他の誰よりも強かった。
そのせいで私としても手加減が出来ず、それこそボロボロになるまで相手をするしか無かったのだ。
だが、しかし。
私が真に悔いているのは、その事に関してではない。
「どうしよう。これは完全に目をつけられた……!」
そうなのだ。
去り際に弟君の肩を借りて立ち去った、うちはマダラの目は最後の最後まで私から外される事は無かった。
あの揺らめく炎を写し取った様な赤い瞳には、嫉妬やら羨望やら怒りやらなんやらでぐちゃぐちゃになった複雑な感情が浮かんでいて。
「人面フラグ……!!」
もうどうしよう。マジでやばいぞ。
ここんとこ忙しかったのと前世の記憶が薄れて来ているせいで忘れていたが、フラグは折れてない。
ていうか――寧ろ、乱立したんじゃない?
だとすると……うあああ! 嫌すぎる!!
「あ、姉者……? 大丈夫ですか?」
柱に頭を打ち付けていたら、背後で扉間の声が聞こえた様な気がしたけど、きっと気のせいだ。
それよりも本当にどうしよう。
昔出会った彼らがなんか綺羅綺羅した目の兄弟でない事を願っていたが、どう考えてもマダラ兄弟が、前世知識のあの兄弟なのは間違いない。
誰が悪いかっていったらそりゃ、完全にうちは兄弟の事を忘れ去っていた私の責任だが……だからといってぇぇ……っ!
その場にがっくりと崩れ落ちる。もうやだ、どうしてこうなるのだ。
魂が抜けていってしまいそうな溜め息が自分の口から零れ落ちる。
なんで死ぬ前から死んだ後の事を心配しなければいかんのよ。嫌すぎるわ。
「あの、大丈夫ですか、姉者?」
「え? あ、ああ、扉間か」
肩を落として悄然としている私を心配する様に、扉間が不安そうな表情を浮かべたまま、後ろに立っていた。
あれ? そう言えば何の用だろう?
「どうした、扉間。なんかあったのか?」
「は、はい。なんでも日向の忍び達が姉者にお会いしたいとの事で……」
日向? どっかで聞いた事がある様な……ああ!
「あの白に薄紫がかった目の一族か。柔拳を始めとする体術に秀でた名門だろ? そういえば、この間戦場で勧誘したんだっけ」
「姉上が仰る通りなら、我ら忍び連合に加わっていただけるかもしれませんね」
「わかった
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