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髑髏天使
第九話 氷神その二
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「そこで今まで眠っていた」
「ですが遂に封印が解けて」
「ここに来れたというわけね」
「そういうことだ」
 そして二人の言葉に頷くのだった。
「やっとな。しかしだ」
「しかし?」
「どうしたのかしら」
「まだ空港にいるだけだが」
 辺りを見回しながら二人に対して述べる。
「面白そうな国だな」
「はい、それはその通りです」
「人間の世界の中でもとびきり楽しい国よ、ここは」
 二人は実際に楽しそうに微笑んで彼の言葉に答えるのだった。
「すぐに御気に召される筈です」
「一旦棲めば離れられなくなるわ」
「あいつもいるからか」
 二人の説明を聞きつつ目も鋭くさせるのだった。
「そうだな」
「はい、その通りです」
「彼もいるしね」
「今度のあいつは」
 男は硬い声で述べた。岩石を思わせる、硬くそれと共に重い声であった。その声で今向かい合っている二人に対して述べるのであった。
「どういう奴だ」
「一言で言えばですね」
「ああ」
 老人のその言葉を聞く。
「クールな方です」
「クールか」
「はい。といいますか」
「あまり感情を表に出さないわね」
 女はこう牧村、つまり『今の』髑髏天使について述べた。
「どうもそういうことは苦手みたいなのよ」
「そうか。そういう人間か」
「はい、そうです」
「それは言っておくわ」
「わかった。では早速だ」
 男は一歩踏み出した。
「その今のあいつに会ってみよう。楽しみだ」
「左様ですか。それでは」
「私達も行くわ」
 男が足を踏み出すと二人もそれに続いた。そうして空港を後にして何処かへと向かうのであった。
 牧村はまた博士の研究所にいた。そこで妖怪達の戯れを周りに見ながら机に座り博士と向かい合って話をする。もういつもの光景になってしまっている姿だった。
 話しているのは先のアルラウネとの闘いと。そして彼等のことだった。
「まずあの老人はじゃ」
「ああ」
 博士の説明を聞いていた。博士はまた机に何かしらの古ぼけた、羊皮紙と思われる紙に手書きでこれまた何処の言語かわからない言葉で書かれている書を開いていた。端のあちこちが破れ破損しているがそれでも字は読めているのかそのまま開いている。その書を開いたままで牧村と話しているのだ。
「あれは日本の魔神じゃ」
「日本のか」
「魔物にもそれぞれ出身があってな」
「そういえば」
 牧村はここで妖怪達についてあることに気付いた。それは。
「妖怪であっても日本のものとは思われないものもいたな」
「そういうことじゃ。妖怪も移動するのじゃよ」
「そうか」
「もっとはっきり言えば髑髏天使を倒す為に集まる」
「俺をか」
「その通り。何度も言うが髑髏天使は五十年に一度姿を現わす」
 確かに彼が何度も聞いて
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