第八話 芳香その十八
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天使がこう言ってきたので拍子抜けするアルラウネだった。やはり言葉にそれが出ている。
「ここで観念すると思っていたけれど」
「言った筈だ。俺は髑髏天使」
ここで背中に翼を出し左手にサーベルを持つ。大天使になりつつの言葉だった。
「決して敗れはしない。だからだ」
「つまり最後まで闘うということね」
「違うな。勝つということだ」
アルラウネを見据えながらの言葉であった。
「言葉は。訂正しておいた」
「感謝はしないわ。けれどそのつもりなら」
アルラウネは動きを止めた。そして。
不意に彼女の足元からあの蔦が出て来た。今度は五つどころではなく無数にあった。
「地面から!?」
「私はただ身体を蔦に変えられるのではないのよ」
身体のあちこちに絡み付いている蔦達も動きだした。それ等の蔦は生き物そのものの動きで蠢きだし彼女の周りを踊る。彼女を中心として異形の舞いを見せていた。
「こうして。出すこともできるのよ」
「それで俺を倒すつもりか」
「そのつもりよ。さて、これはどうするのかしら」
「むう・・・・・・」
「できないわよね」
また笑みを浮かべながらの言葉であった。
「私は。心臓さえ貫かなければ死なないのだし」
「心臓をか」
「言っておくけれど魔物とて不死身ではないのよ」
勝利を確信している余裕からか自分から話すアルラウネであった。
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