暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第70話 いざ冀州へ 後編
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「アニキ――――――、美羽様との涙の別れは終わりましたか?姫が少し嫉妬してましたよ――――――」

現れたのは麗羽、猪々子、斗詩、鈴々です。

猪々子はニヤニヤしながら私と麗羽の顔を伺っています。

「もうっ!文ちゃん、そういうの止めなよ。正宗様に失礼だよ」

デリカシーの欠片もない猪々子には斗詩の爪の垢を飲ませてやりたいです。

「猪々子さん、いい加減におよしなさい。正宗様と私はあなたの玩具じゃありませんわ」

麗羽は剣の鞘の部分で猪々子を本気で殴りつけました。

「い、痛だぁぁ、姫ぇ―――、何するんですか」

猪々子は涙目で麗羽に抗議をしました。

「文ちゃん、自業自得だよ」

「猪々子は馬鹿だから仕方ないのだ!」

鈴々が大声で猪々子を笑っていました。

「鈴々、テメエ許さねえ!」

猪々子は鈴々に剣を抜刀して襲いかかりました。

「許してくれなんて、一言も言っていないのだ」

鈴々が猪々子に売り言葉、買い言葉で返すと彼女達は周囲を無視して乱闘をしだしました。

「あの二人は本当に好きですわね」

麗羽は頭が痛そうに眉間を指で押さえていました。

「麗羽様、ちゃんと言わないと」

斗詩は麗羽の耳元に小さい声で言いました。

「そうでしたわね。あの二人のお陰で忘れるところでしたわ」

麗羽は私に向き直ると背を伸ばして、深呼吸を数回しました。

「正宗様、左将軍の正式な就任おめどうございます」

麗羽は私に頭を下げて祝いの言葉を言いました。

「麗羽、わざわざ畏まってどうしたんだい」

「正宗様、戦地に夫になる方を見送りにきたのですから、畏まって当然ですわ。正宗様のことですから大丈夫だとは思っています。ですが、戦場では何が起きてもおかしくないですわ。だから、私の願いを聞いてくださいませんこと。必ず無事に私の元にお戻りください。これはお守りですわ」

麗羽は話の終わりに不意打ちの様に顔を近づけ接吻をしてきました。

前世から女性の口づけをしたことがなかった私は、ただ口をパクパクさせ、さながら酸欠状態の魚のようです。

「な、何をしたんだ?」

私は動揺しながら麗羽に言いました。

「何って、接吻ですわ。叔父様が男を戦地に送る時は妻がお守りに接吻をする習わしがあると聞きましたの」

麗羽は頬を染めながら、私をチラチラと見ています。

そんな習わしがあるのでしょうか?

前世では映画でそんなシーンを見たことがありますけど・・・・・・。

「そういう習わしあるとは初耳だな・・・・・・。でも、麗羽に接吻して貰って凄く嬉しかったよ」

私は素直な気持ちを恥ずかしい気持ちを押さえて麗羽に伝えました。

「え、そういう習わしはない
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ