第70話 いざ冀州へ 後編
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んですの?」
麗羽はリンゴのように真っ赤な顔になりながら言いました。
「習わしなんか関係ない。麗羽のその気持ちは嬉しいし、できればもう一度して貰えないかな」
私は我ながら大胆なことを口にしました。
「次は正宗様がせ、接吻をしてくださいませんこと。私ばかり恥ずかしい想いをするのは卑怯ですわ」
私が麗羽に接吻の催促をすると、彼女は目を反らしながら言いました。
「えっっと、わかった」
私は勇気を振り絞って自分から麗羽に接吻をしました。
「アニキ―――、姫―――、もう少し周りを気にしてくれよ―――」
「麗羽お姉ちゃんと正宗お兄ちゃんが口づけをしているのだ」
いつのまにか猪々子と鈴々は喧嘩を止め、こちらをニヤニヤしながら見ていました。
「お前達、いつから見ていたんだ」
私は恐る恐る聞きました。
「麗羽様が接吻するところからだけど」
「なのだっ!」
猪々子と鈴々は二人仲良く元気に応えました。
「ふ、二人とも黙っていなさい。正宗様、ご武運をお祈りいたしますわ。さあ、あなた達帰りますわよ!」
麗羽は顔を真っ赤にして、私に見送りの言葉を告げました。
私の顔は先ほどから暑いので、麗羽同様、私の顔も真っ赤でしょう。
人前で接吻をするなど、私らしくないです。
「アニキ、ラーメン百杯で手を打つよ」
「鈴々もそれでいいのだ」
「あなた達っ!許せませんわ。折檻して上げます!」
麗羽は剣を抜いて、猪々子と鈴々に攻撃をしました。
「姫、あ、危ないじゃないですか!怪我したらどうすんですよ」
猪々子は大剣で麗羽の一撃を受け止め、彼女に抗議しました。
「猪々子さん・・・・・・、私達のことを面白がるなんて許せませんわ!」
麗羽はギリギリと猪々子を押しています。
「あははは、姫、冗談ですよ。冗談・・・・・・。鈴々、助けてくれよ―――。お前だって同罪じゃないか―――」
猪々子は麗羽の気迫に顔を引きつらせながら言いました。
「し、知らないのだ―――」
鈴々は愛馬じゃなく、愛豚に股がり逃げ出して行きました。
「ひでぇ――――――、アタイのことを見捨てやがったな!」
「何を無視してますの!」
猪々子が気を反らした瞬間、麗羽の剣が猪々子の耳元を擦りました。
「ひえええぇ――――――!」
猪々子は横方向に体を滑らし、麗羽から逃げ出しました。
「お待ちなさい――――――!」
麗羽は猪々子を追いかけて行きました。
「麗羽様、お強くなりましたね・・・・・・。はははっ・・・・・・」
斗詩は麗羽の走り去る後ろ姿を見ながら言いました。
「そうだな・・・・・・」
麗羽の剣術の腕が
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