最終話 日常その七
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「どんどん食しようぞ」
「そうだね。お祝いだよ」
「牧村さんおめでとう」
「よくここまで戦ったね」
「そう言ってくれるか。それではな」
牧村も妖怪達の言葉を受ける。そうしてだった。
彼はメロンを心ゆくまで楽しんで。それが研究室でしたことだった。
それをしてからだ。彼は大学の授業とトレーニング、部活においてのそれを済ませてだ。家に戻りそのうえで夕食を食べるのだった。
夕食の場でだ。父が彼に言ってきた。
「明日からだったな」
「そうだ」
彼はローストチキンを食べながら父に答える。
「明日からマジックに入る」
「そうか、いよいよなんだな」
父は海草サラダを食べている。メニューはそのローストチキンに海草サラダに卵と野菜の中華風のスープ、そうしたメニューだ。
その中の海草サラダを食べながらだ。父は息子に問うたのだ。
「アルバイトのはじまりか」
「そしてそれからだ」
「ずっとあそこで務めるんだな」
「それでいいな」
「ああ、あそこの家に入るのなら入るといい」
婿入りもだ。いいというのだった。
「若奈さんと幸せになれ」
「じゃあうちはね」
母はだ。にこりと笑って未久を見て話した。
「未久がお婿さんを迎えるのね」
「私がなの」
「そうなるわよ。だって来期がお婿さんに入るのよ」
長男の彼がそうなればというのだ。
「だったらお家は貴女がね」
「私が継ぐの」
「もう継ぐとかそういう時代じゃないけれどね」
それでもだというのだ。
「まあそうなるわね」
「そうなのね。私が牧村家の主になるの」
「奥さんになるのよ」
それになるというのだ。
「頑張りなさいよ」
「何か夢みたいな話ね」
未久は首を捻りながら話した。
「そんな話今だと」
「そうでしょうね。けれど絶対になるものだから」
「絶対になるように頑張るわ」
未久はにこりと笑って答えた。
「是非ね」
「頑張りなさい。そうそう、貴女もね」
「私も?」
「貴女の話もできてるから」
こう言うのだ。娘に。
「高校に入学したらマジックよ」
「あのお店で?」
「アルバイトを」
それをしろというのだ。
「いいわね。八条学園に行くのよね」
「そのつもりだけれど」
「あそこはアルバイトしていいから」
当然学校から許可を得てだ。そのうえでしていいのだ。
「だからね」
「部活は?」
「それもしていいから」
部活もいいというのだ。
「とにかく。マジックでね」
「アルバイトしろっていうのね」
「アルバイトして悪いことはないから」
それはだ。全くないというのだ。
「お金も入るしね」
「まずはお金なのね」
「それに社会勉強になるわ」
そういたこともだ。できるというのだ。
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