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髑髏天使
最終話 日常その五

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「これまで通りだ。来させてもらう」
「うんうん、そうだよね」
「それでこそ牧村さん」
「僕達とも仲良くやっていく」
「それがいいんだよ」
「そうじゃな。それが君のいいところじゃ」
 博士もだ。牧村に言うのだった。
「相手が誰でも。認められるな」
「妖怪と人間の違いは」
「それは何じゃ?」
「外見だけだ」
 それだけだというのだ。違いは外見だけだというのだ。
「その他には何も変わらない」
「中身はじゃな」
「妖怪の心は人とほぼ同じだ」
 そのこともわかったのだ。これまでの髑髏天使として戦い接してきた中でだ。彼は妖怪達についてもだ。その内面がわかったのだ。
 それを話してだった。彼は妖怪達をいつもの壁に背をもたれかけさせた姿勢で見ながらだ。彼等に対してこう言うのであった。
「ではこれからもだ」
「これからもね」
「宜しくね」
「楽しくやろうね」
「そうさせてもらう」
 声を微笑まさせての言葉だった。
「甘いものを食べながらだ」
「そうそう、それでなんですけれど」
 ろく子の首が伸びてきて。彼の傍から言ってきた。
「最後の戦いに向かわれる前にですけれど」
「メロンだったか」
「はい、確かメロンでしたね」
 眼鏡の奥の目を笑わさせての言葉だった。
「それを食べるってお話でしたね」
「そうだったな。そういえばな」
「ではそのメロンを」
「うむ、皆で食べるとしよう」
 博士はろく子の言葉を受け笑顔で話した。
「ではまずはメロンを半分に切ってじゃ」
「あっ、豪華だね」
「メロンを半分に切るんだ」
「それで食べるんだ」
「しかもそこにじゃ」 
 牧村が話したその食べ方をだ。博士は妖怪達にあらためて話していく。
「アイスクリームとブランデーじゃ」
「凄いね。豪華だね」
「そんな食べ方があるなんて知らなかったし」
「一体どんな味かな」
「やっぱり美味しいんだよね」
「百聞は一食にしかずじゃ」
 博士は諺をあえてこう言い換えてみせた。
「まずは食べてみることじゃ」
「そうですね。食べればわかりますね」
 ろく子も博士の言葉を受けて話す。
「それじゃあ今から」
「食べよう」
「そうしよう」
 妖怪達も笑顔で頷いてだ。そうしてだった。
 彼等はその半分に切ったメロンにアイスクリームを乗せブランデー、牧村のそれはアルコールを抜いたそれを食べるのだった。その味は。
「美味いね」
「そうだね」
「これいけるよ」
「最高だよ」
 妖怪達は口々に笑顔で話す。
「こんな美味い食べ方あるんだね」
「何か病みつきになるね」
「そうじゃな。これはよい」
 博士もだ。銀のスプーンを動かしながら笑顔で話す。
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