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髑髏天使
最終話 日常その四
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 それを話す彼等だった。博士はその彼等にも話した。
「しかし安心するのじゃ」
「安心?」
「安心していいって?」
「混沌はこの世を覆うことはできん」
 それはだ。できはしないというのだ。
 何故そうなのか。博士はそのことも話した。
「混沌は原初。あまりにも原初に過ぎるのじゃ」
「原初に過ぎるから?」
「だからこちらの世界を支配できない?」
「そうなんだ」
「そうじゃ。あまりにも異質でありじゃ」
 そしてだというのだ。
「髑髏天使に死神、魔神達だけではない」
「混沌を阻む相手はなんだ」
「牧村さん達だけじゃないんだ」
「そうなんだ」
「こちらの世界そのものがじゃ」
 彼等だけでなくだ。彼等のいるこの世界自体がだ。混沌を拒むというのだ。
「それは何があろうと混ざり合わぬものなのじゃよ」
「混沌が幾ら支配しようとしても」
「それはできないんだね」
「混沌は混沌のまま」
「そうなって覆えないんだ」
「あの者達はわかっておらん」
 そのだ。混沌の神々はだというのだ。
「あの者達は今の混沌の領域の中で生きるしかないのじゃ」
「秩序は完成されている」
 牧村がここでこう言った。
「だからだな」
「左様、世界は混沌から生まれ混沌でなくなったのじゃ」
「秩序の世界になった」
「この二つは何があっても混ざり合わないものになった。若し髑髏天使が倒れても」
 そうなってもだ。どうかというのだ。
「髑髏天使は秩序とそれを司るそれぞれの神話世界の神々に蘇えさせられじゃ」
「戦うのだな」
「混沌が来るならな」
「わかった。では俺は安心していいのだがな」
 その遥かな未来の自分と同じく闘う髑髏天使、そしてその彼が守る世界についてだ。彼は安心していいということがわかってだ。
 安堵した声でだ。こう博士達に話した。
「俺は。日常に入られるのだな」
「左様じゃ。これも文献でわかったことじゃがな」
「混沌が決してこの世を覆えないことがか」
「古代エジプトの象形文字に書かれておった」
 今度の文献はこれだった。
「そう書いておった」
「そうか。それも読んだのだな」
「読んだぞ。それでじゃよ」
「この世界は混沌によって滅ぶことはない」
「左様。無論滅びぬものはない」 
 正者必衰、その理屈だった。
「今の人間世界も必ず滅びはする」
「僕達妖怪もね」
「勿論そうなるよね」
「そうじゃ。形あるもの必ず滅びる」
 博士は妖怪達にもこう話す。
「しかし混沌によってはそうはならん」
「それを聞いて安心した」
「ならよいのじゃよ。君は安心することだ」
「安心してだな」
「これからの人生を楽しむことじゃ」
 戦いが終わったからだとだ。そういうのだ。
「そうしてくれたらわしも嬉しい」
「僕
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