百分の一 その一
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すっかり忘れていたが、今日はやっと第一階の攻略が行なわれる日なのだ。
といっても忘れていたため、当然回復用のアイテム等も十分に有るはずもなく・・・
「取り敢えず今からばたばた急いで揃えてくるから、わりぃけど先に行っといてや!!」
とだけ言い、急いで装備等を整える。それはもう凄い勢いで・・。
あらかた準備が終わると、キリトも席を立ち上がり一緒に出口へと向かう。
宿の前まで降りてきたとき、ふとキリトにお礼を言ってないことに気づき慌てて呼び止める。
「キリト!!」
「何だよ、早く行かなくていいのか?」
キリトは案の定そう言ってきた。
「まぁそうだけどさ、教えてくれてありがとな!」
俺はそれだけ言い、慌てて商店街に駆け出した。
やっべー間に合うかなこりゃ?
SIDE OUT
* * *
SIDE Kirito
「全く・・・。」
俺はそう言いながら、商店街に走っていく相棒を眺めた。
呆れてさえはいるが、顔は自然と緩んでしまう。
普段は料理等を面倒見て貰い、しっかりしたイメージが強いが、いつも肝心なところで抜けていて、危なっかしい反面見ていて微笑ましい。
それにしても・・・、
「あいかわらず変な所で律義だなぁ」
思わず笑いと共にそんな言葉が零れる。
何かとこういう時に礼がすぐゆえるって凄いと思う。自分はまず無理だ、きっとリアルでもそうなのだろう。
そんな事をしみじみと思いながら、空を見上げる。
真っ青な空に、夏を思わせるような入道雲が辺りをところどころ覆っていた。
季節はもう冬なのに、雲から零れた日差しはまだ夏を思わせるように暑い。
そんな空を眺めながら、俺はあの正式サービス開始初日の事を思い出していた。
いくら自分達をMPKしようとしたにしろ、目の前で人が死んだのだ。何も思わない訳がない。それがたった数時間だけど一緒に闘った相手なら尚更だ。
「もうお前みたいな犠牲は絶対出さない」
俺は空に向かって自然とそう呟いた。
今日のボス攻略も、安全マージンどころかまだ戦いに慣れていないのが殆どだろう。
そんな事じゃあ絶対に死者が間違いなくでる。
もう、俺の目の前で人を死なせない。
もう一度、自分に言い聞かせるようにそう呟くと、待ち合わせの集合場所に急いで向かった。
あの時の、コペルの時に守れなかった誓いを、今護るために・・・・
SIDE OUT
* * *
二〇二二
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