第六十話 最終その八
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「その映し出したものと映し出されたもの双方を戦わせるのだ」
「成程な。では俺と俺が戦う」
「貴様が貴様に勝てばだ」
「それで貴様は滅ぶな」
「そうだ。鏡は私だからだ」
その映し出しているものも神なのだ。それならばであった。
「その私を倒したことになる」
「そういうことか」
「話はわかったな。貴様は貴様自身と戦うことによって私と戦うことになるのだ」
「俺自身」
そしてそれを出すだ。神との戦いだというのだ。
「それに勝つというのだな」
「戦うからには勝つ」
まさにそうするとだ。髑髏天使も述べた。
「必ずだ」
「私に対してもか」
「相手が誰であろうとも」
そのだ。アザトースといえどもだというのだ。混沌の原初の神にも。
「私は勝つ」
「最後の最後までだな」
「勝つことは最後の最後までだ」
まさにだ。そうだというのだ。
「その時までだ」
「私と勝つまで」
「それまでが俺の。俺達の戦いだ」
「そういうことだ」
死神も髑髏天使に続いた。
「そうか。私自身と戦うのか」
「死を司る死神と死神の戦いだ」
神は死神に対しても述べた。こう。
「果たしてどちらが勝つかだな」
「これまで多くの魂を刈ってきた」
ここで死神の鎌が光った。銀の鋭い光だ。
「そして戦い勝ってきた」
「それを今度もだというのか」
「そうだ、今度もだ」
まさにだ。今もだというのだ。
「勝たせてもらおう」
「そうか。それならばだ」
「行くぞ」
彼もだ。そうするというのであった。
そしてだ。魔神達もであった。
「自分と闘うのははじめてだが」
「それもいいだろう」
「面白い話だ」
「これまではなかった」
彼等もだ。彼等自身と闘うことはなかったのだ。
しかし今は違う。そういうことだった。
「確かにな」
「しかしだな」
「そうだ。闘いそしてだ」
そのうえでだとだ。髑髏天使も言う。
「最後まで生きる」
「勝つというのか」
「そうさせてもらう。生き残るのは俺達だ」
髑髏天使の言葉は続く。
「貴様ではない」
「そう言うのならだ」
神も応えてだ。そうしてだった。
髑髏天使の前にだ。彼が出た。
髑髏天使がもう一人出て来た。その髑髏天使を前に見てだ。彼は言うのであった。
「俺自身だな。間違いないな」
「最も手強いのは何か」
神の声がする。ここでも。
「鏡なのだ」
「つまり自分自身がか」
「それに勝つのはどうか」
それがどうかとも話す神だった。
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