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フリージングとイレギュラー
“紅蓮の殲滅鬼”
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たんだがな、いいか?」
「なに〜?」
「俺と昨日、“愛し合った”だろ? その結果、二年生が行う“初部屋入り”だっけか? それ、もうしなくていいらしいぞ?」
「「………は?」」


二人は呆然としてる。
そうだよねぇ、順序ブッ飛ばしてるし。


「アーネットにいくつか特典が付いて、まず一つ目は基礎身体能力の向上、二つ目はフリージングの影響を全く受けない、三つ目は俺がリミッターにならなくても独自のフリージングが発生するらしい。あとは、治癒能力が上がったりとかで、残りは従来の“イレインバーセット”と変わらないらしいぞ?」
「え、じゃあ、私自身がフリージングすることが出来るってわけ?」
「タイプSみたいに自身を中心として、そこから半径何メートルって感じじゃないか?」
「でも………それはどうやってするんですか?」


エリザベスの一言にアーネットは動きを止め、俺の方を見る。


「いや、わかんねぇし。取り敢えず、心の中で“イン”とか言ってみたらどうだ? 案外出来るかもしれないぞ」


我ながら適当な事を言っていたら、アーネットは即座にやった。


「(イン!)」
「くっ!?」
「あ、動いたな。髪が煌めいていやがる」
「え? あ、ホントだ〜」


エリザベスはその場から動けないらしく、先程から身体が動いていない。
後ろの方を見てみるとざっとアーネットを中心に半径三メートルはフリージングされていた。


「解くときはどうすればいいの〜、真紅狼〜?」
「“イン”の反対語で“アウト”って言ったら、解けるんじゃね?」
「(アウト!)」


すると、エリザベスは動きを取り戻し、他の連中も動きだしていた。


「便利ですね、それ」
「便利だな、ホント」
「真紅狼はフリージング、効かないの〜?」
「体質で全く効かないらしいぞ。だからこそ、タイプSに対してあんな芸当が出来たわけなんだけど?」
「そういえば、そうでしたね」


エリザベスはあの映像を思い出していたのか、ため息を出していた。
パンドラの基準とか、そういうものを超える基準だからな。
すると、アーネットも何かを思い出したように、俺に言って来た。


「あ、真紅狼。私、教室で他の女子に『将来、真紅狼と結婚する』って宣言しちゃったから」
「ゲホッ、ゴホッ!!? 言ったのか!?」


俺はエリザベスのほうを見ると、頷いていた。


「ええ。堂々と他のクラスに聞こえるぐらいに」
「ああ、なるほど。だからさっきから、他の連中がこっちを面白そうに見てるわけね」


言っちゃったのかー……………………ま、別にいいか!
問題ねぇだろ。


「ま、いいか。これで、アーネットに手を出す男連中も少なくなるし」

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