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髑髏天使
第五十九話 精神その十五

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「味あわせてもらうよ」
「そうするか」
「うん、そうするよ」
 また話す。そうしてであった。
 その話をしてだ。彼等はだ。
 最後の戦いの場に確実に向かう。その中でだ。
 クマゾッツがだ。こう言った。
「最後の最後だね」
「長い戦いじゃったが」
「これで終わりだね」
 クマゾッツはバーバヤーガにも言う。
「次でね」
「次の戦いでか」
「終わり、それから」
「遊びの中に生きる」
「そうなるのだな」
「俺もだ」
 髑髏天使もだった。言うのだった。
「もう一つの戦いに向かえるようになるな」
「そのことが楽しみだな」
「楽しみだ。そしてその為にもだ」
 死神に応えながら話すのだった。
「行くとしよう」
「そうするとするか」 
 こうした話をしてだ。最後の戦場に向かうのだった。そしてその頃。
 博士はだ。自分の研究室でだ。妖怪達の話を聞いていた。
 彼等はだ。こう博士にそれぞれ話していた。
「牧村さんもいよいよだね」
「最後の最後の戦いかな」
「それをしてるんだね」
「今あっちで」
「うむ。彼は全てを終わらせる為にあの場所におる」
 まさにその通りだとだ。博士も述べる。
「ただじゃ」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「混沌はこれで終わりではない」
 そのことはだ。博士も話すのだった。
「この文献じゃが」
「ああ、ネクロノミコンね」
「その本に書いてあるんだ」
「これは原典のアラビア語のものじゃ」
 まさにだ。それだというのだ。
「なくなったと思われていたが見つかったのじゃよ」
「凄いね、そういう本よく見つけてきたね」
「それで手に入れられたね」
 妖怪達もだ。このことには驚く他なかった。
 それでだ。その驚嘆の顔で博士に話すのだった。
「前にはもう一つの死海文書も手に入れたしな」
「そういうのもあったんだ」
「手に入れていたんだ」
「うむ。原典だけに混沌の根幹が書かれておる」
 それが書かれているとだ。彼は言うのだった。
「そしてそこにじゃ」
「それで何が書かれてるの?」
「一体何が」
「うむ、混沌は一度倒されてもじゃ」
 それでもだとだ。博士は妖怪達に話していく。
「何度でも蘇るようじゃな」
「不死身?」
「そうなんだ」
「混沌の神々は一度倒されてもじゃ」
 それでもだというのだ。
「長い年月を経て蘇るのじゃ」
「長い?」
「そんなになんだ」
「長いんだ」
「少なくとも千年はかかる」
 それだけの年月がだ。かかるというのだ。
「長い間かかる」
「じゃあ牧村さんの話じゃないね」
「そうなるね」
 妖怪達はすぐにそのことを察して述べた。
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