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髑髏天使
第五十九話 精神その七

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「貴様が私と共にいる」
「僕達は今は一つだし」
「一柱で無理でもだ」
「二柱いけばね」
「どんな状況でも耐えられる」
 そうだというのだ。
「私達はな」
「魔神達もかな」
「ははは、その通りじゃ」
 バーバヤーガの言葉だった。見れば彼等は全て健在だった。
 彼女は混沌の海の中でだ。死神と目玉に話すのだった。
「わし等も一柱ではないしな。それにな」
「それにか」
「それに加えてなんだね」
「生きねばならん」
 言葉は絶対的なものになっていた。
「何があってものう」
「そうそう、まだまだ遊ばないと」
「死んだら遊べなくなる」
「それならね」
「こんなところで」
 他の魔神達も話すのだった。
「死んでなるものか」
「ここから帰って遊ぶ」
「さらにな」
「遊びか」
 神は遊びという言葉に反応を見せた。そうしてだった。
 感情が見られない言葉でだ。こう話すのだった。
「時々聞くがその言葉は何だ」
「知らないのだな」
「知らない言葉だ」
 まさにそうだとだ。神は髑髏天使に言うのである。
「聞きはするがわからない」
「混沌の世界の者ではか」
「そうだ。どういったものだ」
 神は言うのだった。
「その遊びとはだ」
「おそらくはだ」
「おそらくは?」
「貴様に話してもわからないものだな」
 そうだと話す髑髏天使だった。
「それが何かはだ」
「我にはわからないというのか」
「貴様には感情がない」
「確かにそれはない」
「ではわからないことだ」
 こう神に言うのである。
「感情がないならな」
「そうか」
 神はそう言われてもだ。それでもだった。
 特に思うことなくだ。ただこう言うのだけだった。
「わかった」
「それだけだな」
「わからないのならいい」
 やはりだ。感情のない言葉だった。その言葉で髑髏天使に返すのである。
「それでならそれでいい」
「そう言うからだ」
「だからいいのだな」
「我、混沌の中枢にいる者達のうち我とアザトースはだ」
「感情が全くなかったな」
「あるのはナイアーラトホテップだけだ」
 あくまでだ。彼だけだというのだ。
「そうしたものはないし興味もない」
「遊びを知らないのもだからこそか」
「混沌で世を包めばだ」
 どうなるか。そのこともだ。神は言った。
「そうした遊びというものもだ」
「なくなるか」
「感情そのものがなくなる」
「そうなるな。言われてみればな」
「あるのは。無限の破壊と混沌」
 その二つだけだというのだ。
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