第五十八話 嘲笑その十四
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「俺達は狼だ。それを言っておく」
「狼か」
「狼は集れば倒せない存在はいない」
所謂群狼だ。そうして数で戦うのがだ。彼等だというのだ。
「そのことを言っておく」
「そう言うか」
「その狼達が貴様という象を倒す」
「面白い言葉だ。それではだ」
「あらためて言う。行くぞ」
両手のその巨大な剣を構える。十字の型にだ。
そのうえでだ。髑髏天使はだ。
剣にも全身にも周りにもだ。
あらゆる力を出しだ。そのうえでだ。
激しく回転してそのうえで神に向かう。そうして突き進むのだった。それを見てだ。神もだ。
翼の数を増やしてきた。一対から三対にだ。その全てから闇の光を出してだ。
髑髏天使を襲う。だがそこにいるのはだ。
彼だけではなかった。死神もだ。
彼は金と銀の光を全身に纏いだ。髑髏天使の横に来ていた。そしてそのうえでだ。共に突き進みながらだ。こう言うのだった。
「狼か。面白いな」
「そうだね」
死神が彼のその言葉に応える。同じ口でだ。
「狼は一匹一匹も強いけれどね」
「集ればな」
「さらに強くなるからね」
「群をなす狼は最強だ」
死神は言う。
「私は今その狼になろう」
「僕もね。そうなるよ」
「まずは二匹だ」
狼のその数だった。
「そしてさらにだ」
「うん、僕達とね」
目玉が言うとだ。彼等の横にだ。
それぞれの光に覆われただ。魔神達も来るのだった。
彼等もだ。それぞれ言うのであった。
「さて、狼ですか」
「言い得て妙じゃな」
「少なくともこの神には」
「滅多なことでは勝てはしない」
彼等はそれぞれ言っていく。
「それならばだ」
「あえて狼となりだ」
「戦おう」
「そして勝つ」
こうだ。口々に言ってだ。彼等も神に突き進むのだった。
そこに翼が来る。しかしだ。
その光はだ。彼等の力の前にだ。
打ち消された。簡単にだ。
そしてそのうえでだ。彼等はさらにだ。
突き進みだ。遂に神の傍まで来た。
髑髏天使はその両手に持つ剣をだ。振るった。そうしてである。
神を斬る。上から二条の光が振り下ろされた。
一閃した。しかしだ。
両断されてもだ。それでもだった。
神の姿はそこにありだ。一瞬でだ。元に戻ったのだった。
「死なないか」
「この程度ではだ」
「死なないというのだな」
「見ての通りだ」
その元に戻った姿でだ。神は髑髏天使に話した。
「私はこの程度では死にはしない」
「魂が幾つもあるというのか」
「いや、一つだ」
神は死神の言葉にも答えてみせた。
「一つしかない」
「では。その魂が尽きないのか」
「そういうことだ」
これがだ。答えだというのである。
「これでわかったな」
「話はわかった」
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